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アマゾン「Echo Show 10」、常に見つめるアレクサ WSJ記者レビュー – WSJ

――筆者のニコール・ウェンはWSJパーソナルテクノロジー担当コラム二スト

 金曜日の午前7時30分ごろ、筆者はアマゾンの最新スマートディスプレー搭載スピーカー「Echo Show(エコーショー)10」にニュースを読み上げるよう頼んだ。ぼんやりした目でコーヒーメーカーに向かい、コーヒーをカップに注いだ。ようやくエコーショーの方に目を向けると、エコーショーもこちらを向いて目を合わせていた。筆者が歩いて元の位置に戻ると、スクリーンは再び向きを変えた。朝の光の中、端末に付いた豆ほどの大きさの動体検知カメラが、にらめっこを仕掛けてくるのが見えた。この勝負に筆者が勝ったことは一度もない。

 自動追跡技術を初めて経験した結果、畏怖と恐怖の両方を感じた。アマゾンの端末は今や私たちを見たり聞いたりするだけではなく、追いかけることもできる。車輪が付いているわけではなく、どちらかと言えば、飼い主がパントリーからペットフードを取り出すのをおとなしく座って見つめる飼い犬のようだ。

 10.1インチのスクリーンがロボットアームで設置されたエコーショー10は25日に出荷が開始される。価格は250ドル(日本では2万9980円)と、アマゾンの「エコー」シリーズで最も高額な製品でもある。

 音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」を搭載した他の端末と同様、これもタイマーを設定したり、スマート照明を操作したりできる。また、スピーカーとしての音質も素晴らしい。しかし、その主な利点は、スクリーンが常にユーザーの方を向き、ネットフリックスの番組やレシピの次の手順を表示してくれることにある。また、他のことをしながらビデオ通話をしている場合、カメラとロボットアームが常にユーザーがフレームに収まるよう調整してくれる。

 自動的に向きを変えるスクリーンは、最初はクールさよりも気味悪さを感じた。だが数日たつと、そうした恐怖心はなくなった。ある時点からは、ロボスクリーンが実際に理にかなったものだと感じられるようになった。

 アマゾンはこれまで、この種の端末を家庭に導入させる上で多くの成功を収めてきた。エコーは、常に聞き耳を立てるネットに接続されたマイクを設置することを数百万人の人たちに慣れさせた初の製品だった。だとすれば、追いかけるスクリーンでも同じことが可能なのではないか。

エコーショー10はマイクとカメラを使用してユーザーの位置を追跡し、自動的にスクリーンの向きを変える



Photo:

Nicole Nguyen/The Wall Street Journal

 エコーショー10は、四つの内蔵マイクとカメラを利用して追跡を可能にしている。スクリーンがユーザーの音声で位置を特定すると、カメラが起動する。コンピュータービジョン・ソフトウエアがユーザーの姿形を分析。体の輪郭を特定し、洋服の色を見る。ソフトは人間であることは認識するが、グーグルの競合製品「Nest Hub Max(ネスト・ハブ・マックス)」と異なり、顔は認識しない。

 この処理は自動的に一瞬で行われる。アマゾンによると、動体検知に関わる画像や映像、音声はクラウドに一切送信されない。

ながらビデオ通話にうってつけ

 スクリーンはその円筒形のベース上で自動的に360度回転する。フル回転することに気づいたのは、エコーショー10が部屋から出る筆者を追跡しようと回転し、水が入ったボトルをひっくり返したときだった。しかし、スクリーンの角度は手動で調整する必要がある。

 エコーショー10は、筆者を追跡している際に混乱することが時々あった。筆者の後ろにあるテレビに気を取られたり、キッチンに入ってきた他の人を追跡し始めたりしたときもあった。筆者が1人のときに最も正確に機能したのは間違いない。

 「アレクサ、追いかけるのをやめて」と言うと、カメラをカバーで覆い、追跡をやめた。

カメラカバーをオンにするとレンズが覆われ、動体検知が停止する



Photo:

Nicole Nguyen/The Wall Street Journal

 最大の売りは、ビデオ通話だ。カメラの解像度は旧機種の100万画素から1300万画素に大幅にアップしている。自動フレーミング機能も気が利いている。例えば、料理をしながら友人と通話している場合、キッチンを動き回るのに合わせてカメラが自動的に回転し、拡大表示して常にフレームに収まるようにしてくれる。

 エコーショー10が現在サポートしているのは、アレクサのビデオ通話機能で、相手がエコーショーを持っているか、スマートフォンにアレクサのスマホ向けアプリをインストールしていれば利用できる。「Skype(スカイプ)」にも対応している。アマゾンは、「Zoom(ズーム)」やアマゾンの企業向けビデオ通話アプリ「Chime(チャイム)」も近くサポートする予定だとしたが、詳細は明らかにしなかった。

 どこにいてもスクリーンを見られるのは、耳が聞こえない、または耳が遠い人にとっても便利だ。アレクサに字幕を表示させることができるからだ。

 ロボットアームは、外出中にエコーショー10を室内セキュリティーカメラとして使用する際にも役に立つ。アレクサアプリを使用してカメラにアクセスし、カメラを回転させて室内を確認できる。自宅警備機能「Alexa Guard(アレクサガード)」をオンにしておけば、煙や一酸化炭素探知器の警報、ガラスが割られた音などを検知してくれる。

コンピュータービジョン・ソフトはエコーショー10のカメラで撮影した画像を抽象的な画像に変換することで、端末の動体検知をサポートしている



Photo:

Nicole Nguyen/The Wall Street Journal

 アマゾンはビデオ通話を含めてアレクサのデータを完全に暗号化しており、概してユーザー情報をきちんと保護しているが、それでも自宅内をデジタルの目で見張られるのは落ち着かない。ベビーモニターなどの他のネットに接続されたカメラは、ハッカーの攻撃に巧みに利用されている。

10秒ごとに表示される「おすすめ」

 また、アマゾン自身が一線を越える可能性への疑念もある。もっとも、アマゾンはカメラやマイクから得られるデータよりももっと貴重な情報を持っているだろう。結局のところ、アマゾンは筆者の購入履歴や検索内容、現在や過去の住所、読書や視聴コンテンツ、過去や現在のクレジットカード番号全てを把握しているのだから。

 考えてみれば、追いかけるスクリーンが搭載されたスピーカーは、アマゾンの他のことに比べれば大して気味悪くない。

 アマゾンの広報担当者は「アマゾンでは顧客のプライバシーを真剣に受け止め、エコーショー10の安全を確保する措置を講じている」と説明。そうした措置にはデータの暗号化や自動セキュリティーアップデートの配信、サードパーティー製アプリの使用禁止などが含まれると述べた。

 筆者はスクリーン付きのアレクサを使用することにすっかり慣れた。それは実用面で非常に理にかなっている。アレクサがその日の最高気温と最低気温を読み上げるのを待つよりも、天気予報を見る方が手っ取り早い。また、フォトフレーム機能を使えば、アマゾンの有料会員制サービス「プライム」の中であまり利用されていないことが多い、写真を無制限に保存できるサービスも活用できる。

エコーショーが最も役に立つのがキッチンで、レシピを見ながら料理ができる



Photo:

Nicole Nguyen/The Wall Street Journal

 筆者はテレビの生番組を視聴したかったが、選択肢は限られていた(ただし、音声操作ではなく、端末のウェブブラウザーを使用すれば、技術的にはさまざまな番組が視聴できる)。

 一方、筆者の夫は、さらにもう1台スクリーンが身近にあることをとても嫌がっている。理由は理解できる。エコーショーは積極的に注意を引こうとするためだ。「明日はこの予定があることを忘れないようにしてください」「このスキル(機能)を試してみてはどうですか」「Hulu(フールー)に新しいドキュメンタリーが追加されています」など、10秒ごとに新たな「おすすめ」が表示される。

 ニュースのヘッドラインやカレンダーの通知はオフにできるが、おすすめ機能はオフにできない。これは、私たちがこの端末を使用すればするほど、アマゾンに恩恵があることを改めて示している。だからこそ、この構ってもらいたがっている子犬のようなロボスクリーンは、筆者から目を離すことができないのだ。

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