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EY調査、機関投資家の74%が環境問題の実績に乏しい企業からの投資引き上げを検討 | EY Japan

  • 環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みが遅れている企業への投資から手を引く可能性が高まっている
  • 機関投資家の90%が投資判断に企業のESGパフォーマンスを重視するようになったと回答する一方、具体的な行動を起こすのが遅いと認める
  • 企業が開示する情報の質と明確さについて懸念する投資家が増加

EYは、機関投資家に関するグローバル調査「2021 EY Global Institutional Investor Survey」を発表しました。本調査によると、投資判断の際に以前よりもESGパフォーマンスを重視するようになった機関投資家が世界的に急増しており、ESGへの取り組みが遅れている企業への投資から手を引く可能性がこれまでよりも高まっているとの回答が74%に上っています。一方、具体的な行動はまだ十分ではなく、企業の情報開示の質の向上が急務であることが明らかになりました。

今年で6年目となる本調査では、19カ国、320の機関投資家を対象に実施した調査の結果をまとめています。投資家の90%が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大前よりも投資判断の際にESGパフォーマンスを重視するようになったと回答。過去12カ月以内に「グリーンリカバリー」の潜在的なメリットを考慮して投資判断を行ったと回答した投資家は92%に上っています。

また、大多数の投資家が、保有しているポートフォリオと投資対象のESGリスクを将来的にはさらに詳細に検討するという明確な意図を示しています。調査対象者の77%は、「物理的」リスク、すなわち製品とサービスを提供する企業の能力に気候変動が与える影響について、今後2年間でさらに踏み込んだ分析をする予定だと回答(2020年の73%から増加)、80%が、「移行」リスク、すなわち低炭素経済への移行に伴う市場への影響を評価する取り組みを推進するとしています(2020年の71%から増加)。

機関投資家は、企業がESG目標を達成できるかどうかを証明するための対策を講じていることが調査で分かりました。投資判断の際、投資家はいくつかの要素を確認していますが、具体的にはチーフ・サステナビリティ・オフィサーなど、CEOと経営陣へ直接報告を行うESG担当者がいるか(53%)、組織の文化がESGの目標に沿っているか(52%)、ESG報告について独立した保証を取得しているか(48%)などです。一方、取締役会がESGパフォーマンスを監督している、また、役員報酬がESGパフォーマンスに連動しているかを懸念しているとの回答は42%に過ぎません。

ESGパフォーマンスを重視し、行動に移す意欲が高まっているにもかかわらず、運用方法を具体的に変更した機関投資家は、まだあまり多くないことが調査で明らかになっています。投資アプローチを更新するために行動を起こしたとの回答は49%にとどまっており、リスク管理戦略を練り直したと答えたのはわずか44%です。また、気候リスクに関して「非常に成熟した」アプローチをとっていると考えている投資家は44%のみです。

投資先として検討している企業によるESG報告の質と透明性について、多くの投資家が懸念を表明しています。調査対象者の半数(50%)が、財務上の重要課題について企業が適切な報告を行っているとは思わないと回答しており、2020年の37%から顕著な増加を示しています。

一方、グローバルスタンダードの導入により状況が改善されるという明るい希望が見えており、調査対象者の89%はそうした基準の義務化を望んでいます。

EYグローバル・バイスチェア(アシュアランス)のマリー・ロール・ドラリューのコメント:

「新型コロナウイルス感染症の拡大により、投資家がESGパフォーマンスをより重視するようになったのは明らかです。それが行動に結びつくようになってきたという明るい兆しはあるものの、ESGパフォーマンスを意思決定の中心に据えるために企業と投資家の双方がさらに大胆な対策を講じる必要があります。

ただ、社会の期待に沿うという意味では道のりはあまりにも遠く、真の前進には投資家と企業、監査人、基準策定機関、規制当局の関与が不可欠なこともまた明らかです。私たち全員が論議に参加する必要があります」

EYグローバル気候変動・サステナビリティ・サービス(CCaSS)リーダーのマシュー・ネルソンのコメント:

「今後数年以内に、投資家は戦略計画にESGパフォーマンスを組み込まなくてはなりません。また企業は、ESGリスクについてより明確で詳細な情報開示を実現できるよう迅速な行動を起こす必要があります。投資家と企業の双方が従うべき一貫性のあるグローバルスタンダードが定められた、これまで以上に明確な規制環境が早急に必要とされているという事実から逃れることはできません」

EY Japan 気候変動・サステナビリティ・サービス(CCaSS)リーダーの牛島慶一(うしじま けいいち)のコメント:

「ESGがブームになり、グリーンウォッシング同様にESGウォッシングが懸念され始めました。特に日本では事実上、プライム市場への上場要件となって以来、ESG経営の裾野が広がっています。
一方、道徳観の主張や社会貢献活動のアピールのために体裁のみ整えれば良いと考えるなど、本質的な理解にはまだ道半ばの企業も多く存在します。
ESGの経営統合は、経営者の想像力とリーダーシップ次第です。投資家との長期的かつ建設的なエンゲージメントを通じ、パーパスとビジョンを共有・共感していくことが必要です」

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