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【IR映画ガイド】日本アニメの影響力をきちんと認識しておこう「名探偵コナン ゼロの執行人」「名探偵コナン 紺青の拳」 (1/2) | JaIR -日本型IRビジネスレポート-

 統合型リゾート(IR)を学ぶ映画連載、19回目にして初のアニメ映画だ。名探偵コナンシリーズから、IRをテーマにした最近の2作、東京湾に完成した開業直前のIRが舞台となる「名探偵コナン ゼロの執行人」と、シンガポールのマリーナベイ・サンズが舞台となる「名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)」の2作を観ながら、日本型IRに向けた日本アニメの底力をしっかり学んでおきたい。*ネタばれあり


「名探偵コナン ゼロの執行人」(2018年 日本)
https://movie.walkerplus.com/mv64218/

「名探偵コナン 紺青の拳」(2019年 日本)

https://movie.walkerplus.com/mv66849/ 

 

東京湾の埋め立て地に統合型リゾートが誕生! 

 「名探偵コナン」は1994年に少年サンデー(小学館)で連載が始まった青山剛昌氏の人気コミック。国際的犯罪組織の秘密を目撃した頭脳明晰な高校生探偵の工藤新一が、口封じのために飲まされた毒薬が原因で神経以外が退行して小学一年生の体になってしまった…という設定から全ての物語が始まる。こうして誕生した江戸川コナンと名乗る小学生名探偵が、「見た目は子供、頭脳は大人」という決めゼリフとともに次々に起きる事件をアッと驚く洞察力を駆使して解決していくというストーリーだ。

 連載開始直後にはアニメ化の話が進み、1996年から読売TV(日本テレビ系)でTVアニメがスタートしている。翌1997年からは東宝のゴールデンウィーク定番映画として劇場版アニメが毎年1作ずつ製作され、昨年までに23作が公開されている。本来であれば今年のG.W.には世界最大のスポーツイベントを舞台にした24作目「緋色の弾丸」が公開されるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で来年に公開が延期されてしまっている。

 劇場版コナンはTV版では実現しにくい派手なアクションシーンや爆破シーンが最大の特長だが、毎回最新のテクノロジーや情報を盛り込み、近未来のブームを先取りをしていくことも大きな魅力となっている。2018年に公開された「名探偵コナン ゼロの執行人」では、なんと東京湾の埋め立て地に造られた統合型リゾート「エッジ・オブ・オーシャン」が事件の舞台になっている。映画の冒頭、開業直前の施設をレポートするニュース番組という設定の紹介映像が流れるのだが、大阪や東京で開催されているIR関連イベントで見かけたプレゼンを先取りしたような内容だ。


東京湾の埋め立て地(写真は有明付近)

 「このIRはウォーターフロントの立地にふさわしく、水の要素をふんだんに取り入れてデザインされている。シンボルタワーとなるカジノタワーは貝殻をモチーフに灯台の役割も果たす高層ホテルで、最上階にはIR全体を一望できる展望台が設置され、巨大なショッピングモールには大きな滝や空中庭園が配されている。国際会議場の内装にも和風庭園の様式美が取り入れられるなど、「和」をもう一つのテーマに掲げ、インバウンド客のモチベーションを高めることを意識している。施設の外周には跨座(こざ)と懸垂の二層式モノレールが周回、最先端のエレクトロニクスを駆使した設計は伝統と未来が融合したスマートシティを実現している…」とレポートされている。もちろん架空のIRという設定だが、IR関連法案に示されている必要事項をきちんとトレースした設定になっているところはさすが…と唸らされるところだ。

 

単なる子ども向けの映画と侮ると大きな間違いを犯す

 開業までひと月のこの最新IR施設「エッジ・オブ・オーシャン」で1週間後に東京サミットが開かれることになっている…というタイミングで物語が始まり、最新鋭警備システムを備えた施設内で大規模な爆破事件が発生する。捜査の過程で、映画のもう一つのテーマであるIOT関連の機器を使った遠隔爆破事件だったことが判明する。火星探査衛星「はくちょう」の地球帰還を妨害する宇宙コントロールセンターへのハッキングがあったり、特別に開発された高性能のドローンを使って荷物を運んだりと、様々なハイテク要素を盛り込みながら事件解決に向けてきっちり整理してまとめ上げていくストーリー展開に思わず引きずり込まれていく。この辺り、子ども向け映画と侮ったら大間違いだと痛感させられる緻密さを感じる。

 さらに、この「ゼロの執行人」は、新たなファン層を巻き込むことで前作まで興行収入60億円台だったものを90億円突破の大ヒットに引き上げたことでも話題を集めた。2016年公開の「純黒の悪夢」で謎の多い魅力的な人物として注目を集め、本作では大きなカギを握る準主役となった安室透というキャラクターの人気に火が付き、日本中に「安室の女」を自称する熱狂的な女性ファンを誕生させた。彼女たちは「絶叫上映(応援したり叫んだりすることが許される上映)」に殺到、「安室透を(興行収入)100億の男にする活動」と称して、繰り返し映画館に足を運ぶなどの社会現象が起こった。

 安室透の声を担当しているのは、機動戦士ガンダムで「アムロ行きます!」のセリフで人気のアムロ・レイを演じる人気声優の古谷徹さん。そして安室透の別名が降谷零。ちなみに「純黒の悪夢」で安室透のライバルとなる赤井秀一を演じた声優の池田秀一さんは、ガンダムでアムロのライバル赤い彗星のシャアを演じた声優さん。書いていても頭が混乱してくるが、大のガンダムファンとして知られる原作の青山氏のこうしたオマージュネタは、コナンシリーズの隠し味として随所に散りばめられている。この話題を膨らませると延々と広がってしまうので、興味がある方は各自個別に掘り下げていっていただきたい。

 

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