
ミシュランマンこと「ビバンダム君」の名前やルックスの由来は? | MOBY [モビー]
”ミシュランマン”ことビバンダム君とは

ムッシュ・ビバンダム(以下、ビバンダム)は、フランスのタイヤメーカーミシュランのイメージキャラクターです。日本では「ミシュランマン」の愛称で知られています。
ミシュランによると、ビバンダムが誕生したのは1898年とのこと。当時フランス・リヨンで開催された博覧会だと言われています。あの愛らしいルックスからは想像できませんが、彼の年齢は2018年時点で既に120歳を超えています。

出典:ミシュラン公式サイト
アメリカでの評価も高く「ミレニアム アイコン」と命名されるほどで、長く愛されるキャラクターであることが伺われます。
名前の由来

ミシュランによれば1898年の誕生当時、このキャラクターの名前は決まっていなかったといいます。
キッカケとなったのは1897年に開催されたパリ・アムステルダムレースにて、とあるドライバーがビバンダムを見て「あっ、ビバンダムが来た!」と呼んだそうです。
ビバンダムをてがけた広告デザイナー、アンドレがその呼称を気に入ったことで、キャラクターをビバンダムと呼ぶようになったとしています。
アメリカ、フランスではビバンダム、他の国ではミシュランマンと呼ばれることが多いようですが、公式にはムッシュ ビバンダムと呼ばれているそうです。
個性的な外見のルーツ

ビバンダムは、「ダウンジャケットを着た小太りな人」のような見た目をしています。
ミシュランによるとビバンダムのデザインは、ミシュラン創業者の弟であるエドワールがタイヤを積み重ねたディスプレイを見て、「腕をつけたら人間になるじゃないか」といったことに由来しているそうです。
また、当時は自動車が高級品で、その付属品であるタイヤも当然高級品。そのため、タイヤが白い包装紙で包まれていたことで白のビバンダム君が誕生したとしています。
グラスの中身の意味

ビバンダム君が手に持つグラスには、釘やガラスが入っています。
当時の広告の目立つところには「Nunc est Bibendum!!(ラテン語)」で書かれています。
「今こそ飲むべし」という意味なので、「パンクの原因も飲み干しちゃうぞ!」というところから、ビバンダムが来た!とドライバーが言ったのでしょう。
若返るビバンダム

これだけ長い歴史があれば、キャラクターのイメージも変わります。
初代のビバンダムは、当時の客層を反映してか、ワインを飲み、葉巻を吸い、丸メガネをかけたりしていました。

ですので、初代というのはよく言えば貫禄があるというか、恰幅がいいという感じです。その後、目が大きくなり、走ったり、フレンドリーな雰囲気に変化していきます。
タイヤメーカーが観光ガイドを発行する理由

©Pixavril/stock.adobe.com
おまけですが、タイヤメーカーであるミシュランが、「ミシュランガイド」という観光ガイドを発行していることをご存知の方は多いと思います。近年はスマートフォンのアプリとしてもリリースされています。
タイヤメーカーが何故、そんな観光ガイドを出したのは、1890年頃にお金持ちのステータスシンボルだった車を使って、見せびらかすだけでなく、たくさん走ってほしかったからといいます。
たくさん走れば、当然タイヤ交換をする必要もでてきますので、タイヤメーカーとしては企業努力のひとつといえるでしょう。120年も続くガイドブックはそうないのではないでしょうか。
まとめ

2021年、ミシュランタイヤは自動車以外にも様々な乗り物に使用されています。
飛行機やトラック、バイク、レーシングカーなどに加え、モノレールにもミシュランのタイヤが使用されていることは知らない方も多いのではないでしょうか。
1890年頃のビバンダムは、そんな重い乗り物をタイヤで支えるなんて考えもしなかったでしょう。120年の歴史の中でビバンダムも変化があったように、タイヤにおいても大きな進化があったのです。
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