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「Maison KEI」に行って、パリで3つ星を獲った小林圭シェフと話した!(GQ JAPAN) – Yahoo!ニュース

いざ、御殿場へ

どの客席からも富士山の雄大な姿がほぼそっくり見られる。窓の下には、庭のようにも見える畑がのぞける。「ゆくゆくはここでハーブや野菜を育てて、提供したいと思っています。手前には水を引きこんで、クレソンなどもつくるつもりです」と小林圭さんはいう。

近いね

鈴木正文編集長(以下S) もしもし、岩田くん。到着したよ? いまどこ?

担当編集岩田(以下I) ぼくもレストランの駐車場です。あ! 編集長のクルマ、アルピーヌA110リネージュを見つけました! (走りながら近づいて)いやー、しかし立派な駐車場ですね。

S (あたりを見渡して)26台、停められますね。1台あたりのスペースに余裕があるし、出入り口の段差もなく敷地がフラットなので、稲垣くん(「29歳、フェラーリを買う」の連載を執筆するデジタル・エディター)のフェラーリ360モデナでも下をこすらずに駐車できますね。

(Maison KEI)

I たのもー! もとい、ごめんください。あ、圭さんだ。いつも連載の「フランス料理のABC」にご協力いただき、ありがとうございます! そしてこのたびは開店おめでとうございます。

小林圭(以下KEI) 今日はありがとうございます。あ、鈴木さん、ご無沙汰しております。どうぞ、中をご覧になってください。

S ありがとうございます。お元気そうで、なによりです。(ダイニング・ルームに進んで)おお、すばらしい。どの客席からも富士山が見えますね。それに、この空間は木をふんだんに使っているので、雰囲気があたたかい。いきなりなごめる感じであるうえに開放的で、居心地がいいですね。建築家はどなたですか?

KEI 内藤廣さんです。「とらや 赤坂店」を手がけられた方と同じです。

I なるほど、ちょっと似た感じがありますね。屋根もそうですが、建物全体がゆったりとした弧を描いているところとか……。ところで、「とらや」さんとコラボしたのはどんな経緯だったのでですか?

KEI 「とらや」の18代目社長の(黒川)光晴くんとは10年ほど前にパリで出会ってからの付き合いなんです。かれがパリの「とらや」で働いていたときに知り合って、2015年に「とらや」パリ店をリニューアルオープンするときには、うち(「Restaurant KEI」で研修したりもして、仲の良い関係なんです。この「Maison KEI」のすぐそばには、「とらや工房」があります。16代目が、富士山の雪解け水ときれいな空気、それに豊かな自然に感動して、50年ぐらいまえにあんこやようかんの工場を作り、以来、御殿場はとらやにとってゆかりの深い地なんです。

I このレストランをつくろうというアイディアが生まれたのはいつごろですか?

KEI 5年前ぐらいだったと思います。とにかく立地がすばらしいですし、つねに富士山を望むことができるので、理想的な環境だと思います。内藤先生の作品は、できたてのいまもとてもいいですが、時間がたって、いっそう風景に溶け込むようになると、さらによくなると思います。

S なんといっても、ダイニング・ルームから富士山がほとんどまるごと見えるのはすばらしいですね。ここまでの好環境のレストランはまずないとおもいます。ところで、いま、パリの店がリニューアル中と聞きましたが?

KEI はい。パリのお店のリニューアルは、パリを拠点に活動している建築家の田根剛さんにお願いしていて、クリスタルルームのような感じにしてほしい、とお伝えしています。パリの場合は、材料としては石が主役ですね。ヨーロッパのいい建物っておおむね石なんですが、いまモダンな店はみんな木を使っています。でも、モダンな空間であっても石主体で成立すると思っています。日本人の店だからこそ、あえて木ではなく石で挑戦したかったというのもあります。石は、イタリアとスペインで新しく切り出した石を使っています。

S ここではどんな料理をだしますか?

KEI 地域を活性化したいと考えているので、食材は地産地消を基本にしています。この周辺地域のいいものを使っていくうちには、それが呼び水になって、県外の人もふくめて、この地で生産者になる人が増えるとか、そんなふうになったら地域の活性化に貢献できるかなって思いました。それと料理ですが、なにげない普通の日に自分が食べたいと思う料理をつくっていきたいと思っています。つまり日本にアダプトしたフレンチみたいなことなんですが、力みかえらない料理を出したいですね。いまはコースが主体ですが、コロナが収束したら、お品書きみたいな形でのアラカルトもやるつもりです。作りおきのものから、取り分けるスタイルとかもありで。それに、ゆくゆくはカレーも出したいですね。ほかにも、コルドン・ブルーとかもいい。おいしければいいんじゃないかなって。それと、ここはとらやの“あんこ”が食べられるレストランです。しかもほかのとらやで食べられない「洋」のあんこです。デセールのバシュランは、30回ほど試作しました。

I わ、それも楽しみですね。そして本当に厨房がすごいですね! 中華鍋や、大型スチ(ーム)コン(ベクション・オーブン)が2台あるし、ピザ窯もありますよね。あと、オーデマ・ピゲのウォールクロックも格好いいなぁ!

KEI 厨房機器はフジマックさんにお願いしたんですが、「こんな大規模の厨房設計はひさびさです」って言われました。設備はパリの厨房よりもいいです。

I 厨房に外の景色を見ることのできる窓があるのも珍しいですね。人に見せるための窓がある厨房は多くても、キッチンから外の景色を見るための窓がある厨房ってそんなにないんじゃないでしょうか。

KEI 料理人は飼い犬ではないですからね。自由に光を浴びていいし、せっかくのこういう場所ですから、空気や緑、自然を感じてほしいんです。このレストランでは、雄大な自然のなかで、お客さんに、肩の力を抜いて、リラックスして食事を楽しんでほしいと思っていますので、つくる側ものびのびと調理を楽しめるようにしたいですね。その点、パリのレストランは、3ツ星としての面目をかけた、息もつけないほどの、張り詰めた、料理人としての挑戦のステージです。けれど、ここでは、私自身、楽しみながらさまざまな料理に挑戦するので、みなさんにもカジュアルに楽しんでいただきたいですね。

S それはますます楽しみですね。ところで、むかし、ピエール・ガニェールが青山にレストランを作ったときに、青山のキッチンにモニターを置いて、パリとつないで、調理をコントロールしていましたよね? ああいうことはされないのですか?

KEI やってましたよね! (アラン・)デュカスさんもやってました。最初はいいアイディアだと思ってはじめたようですが、でも結局、やめてしまいましたね。その理由のひとつは、映像を通して見ていると、そのころは、実際よりも動作がゆっくりに見えたみたいで、それを見てシェフはイライラしてくるし、思ったようにワークしなかったということがあるようですね。コロナが収束したら、わたしは、年2回のバカンスを利用して、パリからここにやってこようと考えています。

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