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極上の絶景と温泉を独占、京都・嵐山温泉「翠嵐」 今こそ日本の名宿へ(第2回) | JBpress autograph

文=のかたあきこ 撮影=木下清隆、のかたあきこ(一部翠嵐提供)

保津川に面し嵐山の絶景を堪能できる。

いにしえより癒しを求めた人々が集う

 京都で温泉が楽しめ、優美な自然空間を貸し切りにできるのが、「翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都」だ。嵐山の一等地、翡翠色の水をたたえる保津川に面して敷地が広がり、対岸の山肌は四季折々に美しい色彩を見せる。古くから平安貴族が自然を愛で、癒しを求めて別荘地とした場所である。

正門は明治時代の木造建築を継承する。

 松や紅葉が映える純和風の門をくぐると、苔むした庭園に佇む茅葺き屋根の「茶寮 八翠」が見える。これは築100年以上を重ねる歴史的建造物。テラスに出ると保津川に屋形船が行き交い、風流な光景が広がる。

日本庭園を眺める木造屋敷のレストラン。

 中門を通ると今度は木造屋敷のレストラン「京 翠嵐」が迎える。正門やレストランの建物は、川崎重工の創設者である川崎正蔵氏が明治時代に別荘として建てた木造建築を継承する。

 ホテルのコンセプトは「継往開来(けいおうかいらい)」という。

 この言葉にマーケティングディレクターの佐藤佳子さんは、「先人の思いを引き継ぎ、空間を進化させ、次世代へバトンタッチする」の意味を込める。そしてこう話を続ける。「お客様が“癒し”を求めて当館にいらしてくださることを心から嬉しく思います」と。ウィズコロナ時代、温泉のあるホテルはますます人々の心の拠り所であると感じる。

 

京都嵐山で客室温泉を堪能する喜び

 客室は39室あり、バルコニーや箱庭付きの開放感が嬉しい。日本の伝統美を随所にあしらった和モダンの客室だ。客室17室には専用の温泉露天風呂が備わり、2004年に開湯した嵐山温泉が満ちる。無色透明の単純温泉で、なめらかな肌心地の温泉はアルカリ性が高く、美肌の湯として好評だ。好きな時に好きなだけ、誰にも気遣うことなく温泉が堪能できるのが客室露天風呂の魅力である。

翡翠色のカーペットが映える「月の音」。

 客室はそれぞれ趣が異なり、坪庭に露天風呂があるデラックスルーム「柚葉(ゆずのは)」、2名同時にスパトリートメントが受けられるバススペース完備のプレミアムキング「白菫(しろすみれ)」、掘り炬燵のプレミアム和室「京 月琴」、日本庭園を眺める露天風呂がある温泉露天風呂付ガーデンテラススイート「玉兎(ぎょくと)」などがある。

温泉露天風呂付きガーデンテラススイート。襖絵は気鋭のアーティスト・品川亮氏。

 館内にはプライベートスパ(貸切露天風呂)が2つある。温泉にゆっくりと浸かり、日本庭園を眺めながら至福のひとときが楽しめる。

静けさと開放感に癒される貸切露天風呂。

 ゲストに一層の安心感を提供するために2020年10月29日、3階フロア10室を「Pure wellness room with airweave(ピュア・ウェルネス・ルーム・ウィズ・エアウィーヴ)としてリニューアルした。これは最新の高性能空気清浄機と高品質寝具を導入したリラックスルーム。アメリカのPURE Solutions LLC社と組み、徹底した除菌を行った客室で室内空気のクオリティーを高める。

「空気が澄んでいて息をするのが楽。花粉の時期も期待です」と佐藤さん。ベッドマットレスは睡眠研究に力を入れるエアウィーヴ社の最新型だ。

 

歴史が香る空間で極上のディナーを

 レストラン「京 翠嵐」は1899年に川崎正蔵翁の別荘として建造された「延命閣」を改修・復元したレストラン。明治期を代表する政治家・松方正義氏が命名し揮毫した「延命閣」の扁額が欄間にかかる。嵐山御殿とも言われた空間をレストランとして活用している。

レストランは金砂子の床の間など見所豊富だ。

 食事は、フランスの3つ星レストランで経験を積んだ松勢良夫総料理長による独創的なフランス料理。地元京都の食材をはじめ、生産者と交流を深めながら新しいアイデアのメニューを作る。会席料理の技法とフランス料理の美意識を融合させたコース料理が味わえる。

独創性ある料理は滞在中の大きな楽しみ。

 レストランでは特に、三密回避と衛生管理を徹底し、メニューのタブレット化や席数半減での営業などの工夫を行っている。館内も新しいオペレーションや設備投資で、安心安全の滞在環境づくりに励んでいる。

「4月の緊急事態宣言後、当館はじめグループホテルの多くが休館しました。6月の再開まで、安心安全のおもてなしとはなにかなどを改めて深く考える時間となりました」と佐藤さんは話す。

タフで勉強熱心な佐藤佳子さん。

 ウィズコロナ時代の旅館取材では、サバイバルを乗り越えてきた宿びとの底力を感じることが多い。結局は人が宿を強くし素敵にする。人が居心地のよい場所を作る。

 取材を通して、佐藤さんがこれまでのキャリアの中で、アメリカ同時多発テロやサーズ、リーマンショック、東日本大震災をはじめ、旅行業界の紆余曲折を何度も現場で経験したことを知る。「だから今回もなんとかなる。チームでなんとかできる」という気持ちは強いのだとか。

 宿びとの様々なこだわりに出合える、ラグジュアリーなホテル。時間の経過でしかなし得ない魅力が詰まった京の宿である。

雪の純白に包まれる日は静寂の美しさ。

 滞在の折には朝の散歩をぜひおすすめしたい。嵯峨野の「竹林の道」は大通りを歩き10分ほど、そこから亀山公園をぐるりとまわれば保津川に出て、宿へと戻る約1時間の心地いいゴールデンコース。静寂に包まれる朝の竹林は空気がとても澄んでいて、神聖なものを感じる。

渡月橋と春の喜びを告げる山桜の嵐山。

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