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経営陣が取り組むべき「ステークホルダーとのサステナビリティ・コミュニケーション」第2回SB-Japanフォーラム | サステナブル・ブランド ジャパン | Sustainable Brands Japan

サステナブル・ブランド ジャパンは、法人会員コミュニティの2021年度プログラム「第2回SB-Japanフォーラム」を9月15日、オフライン(博展本社、東京・中央区)とオンラインを併用し、開催した。7月に行われた初回に続き、一般生活者全国9000人回答に基づく、企業のSDGs貢献に対するブランドイメージの調査である「JSBI」を特集。ケーススタディではゲストとしてネスレ日本を招き、JSBIによる実際の評価を紹介しながら、企業のサステナブル・アクション発信の在り方を議論した。(横田伸治)

前段の解説を踏まえ、「ステークホルダーコミュニケーション」と題されたセッションでは、田中氏が「産業構造自体が激変し、消費者の意識も変化している。企業経営は一言で言えばトランスフォーメーションしていかないといけない」と、既存チャネルの衰退およびECシフトの加速・在宅勤務の浸透・中高級市場の低迷などのトレンドを挙げながら、企業のサステナビリティをめぐる昨今の動きを紹介した。まず取り上げられたのは、日本の上場企業のうち、丸井グループや日本郵船をはじめ、約13%にあたる55社がESG/サステナビリティ―委員会を独自に設置する(2020年6月時点)など、企業経営陣が本格的にサステナビリティに取り組むようになったことだ。

東京証券取引所がまとめる「コーポレートガバナンス・コード」(CGコード)においても、2021年6月の改訂でサステナビリティが主要テーマとして組み込まれた。具体的には、ジェンダー、国際性、職歴、年齢などにおいて多様性のある人材を中核に配置すること、またサステナビリティに関する基本方針を策定して環境・社会問題に対処し、さらにステークホルダーと対話・開示すること、の2点が特に重視されたと田中氏は指摘する。

一方で、地球温暖化対策推進法、環境配慮促進法、女性活躍推進法など主法令を挙げながら「ESGに関する国内法令としては、ドラスティックに変わったわけではない。CGコードで大きな指針が示されたとはいえ、企業が本気で動き出すのはまさにこれからだ」と奮起に期待を寄せた。さらにより複雑化・長期化していく企業の情報開示とコミュニケーションにおけるポイントは、大きく次の5つであるという。

・長期ビジョンの開示
・ダブルマテリアリティによる重要要素の開示
・競争優位性に影響を与えるリスクと機会
・価値創造プロセス
・ビジネストランスフォーメーション――

これは中長期を見据えた際に企業が社会に与えられる影響を定め、適切に開示し、競争におけるリスクも検討した上で、ビジネスモデル自体が適合しているかどうかを判断していくプロセスだと解説した。

ESGをめぐるグローバルガイドラインについては、「非常にカオスな状況になっている」と評する。GRI、IRC、SASB、TCFDなど各種ガイドラインが乱立する中、ガイドライン同士がより多様なユーザーに向け、包括的な企業報告を目指し共同声明を発表するなど収れんしていく方向にあるという。

各種ガイドラインの動きが活発になり、サステナビリティによるビジネスインパクトが増す中で、サステナブル・アクションが企業経営にとっての機会であると同時にリスクともなったとも言い換えられる現状。田中氏は「当初はIR的評価とマーケティング的コミュニケーションは切り離されていたが、見て見ぬふりはできなくなってきた」と指摘する。経営者の積極的な関与が求められる中、存在感を増すのが、企業価値評価に活用する金融ESG評価、また生活者からのイメージを指標としたJSBIスコアの2つだ。

田中氏はセッションの締めとして、双方を比較分析。例えば、味の素は金融ESG評価・JSBI共に高スコアとなった一方で、日本コカ・コーラは金融ESG評価が高くJSBIスコアが低い結果となっている。つまり、本来JSBI上でも高スコアとなるような取り組みを打ち出している企業でも、消費者目線のイメージではギャップが生じていることが分かる。田中氏は両評価においてバランスが取れている状態が理想であるとして、セッション冒頭でも触れられた「ステークホルダーとのコミュニケーションをデザインすること」の重要性を改めて投げかけた。

こうしたネスレ日本の事例を踏まえ、フォーラム終盤のグループワークでは「自分がネスレ日本のサステナビリティ・広報担当だったら、まずどのようなアクションを起こすか?」をテーマに、参加者らがSWOT分析を用いて同社の強み・弱みを抽出。同社での既存の取り組みを参考に、より消費者に価値創造ストーリーを届けるためのコミュニケーションを、具体的な施策として提案した。

主力製品の一つである栄養機能食品「ミロ」をマーケティング展開していくアイデアが多く出た中、的場氏は「ミロがこれほどサステナブルなアイテムとして注目を頂けることに驚いた」と評価。嘉納氏も、産婦人科医院や子ども食堂などでミロを配布し、ネスレ創業ストーリーを生かしながら食生活支援を行っていくという案について、「シングルマザーの家庭にもミロを届けていくことで、貧困などの社会問題に貢献しながらブランドのイメージを上げていける。とても良いアイデアを頂いた」とワークを締めくくった。


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