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 専修大学松戸中学校・高等学校(千葉県松戸市)は昨年度から、中3生の家庭学習にオンライン英会話を取り入れている。以前から行ってきたアメリカ修学旅行や留学生交流プログラムに加え、日々継続的に英語の実践力を強化するための取り組みとして導入した。すでに英会話の授業でも積極性が増すなど効果が上がっているという。受講した生徒の感想も交え、実施内容や手応えについて取材した。

継続的に取り組める英語実践の場として

アメリカ修学旅行の体験授業を受ける生徒たち
アメリカ修学旅行の体験授業を受ける生徒たち

 同校で長年、英語力強化のプログラム作りに携わってきた五味光教頭は、昨年中3生向けに導入したオンライン英会話について、「6年間かけて行うグローバル教育の流れの中にあります」と位置付けを話す。「中1、中2は学習の基礎期です。週5時間の英語授業、週2時間の英会話授業によって4技能を鍛えます。中3は、そうした授業に加え、外国人相手に英語を実践する機会を度々設け、高校の海外研修や国際交流などにつながる応用力を育む時期です」

 英語を実践する最初の機会となるのが、6月に米ネブラスカ州を訪ねる全員参加の修学旅行だ。「現地姉妹校の生徒との英語による交流、体験型授業への参加、異なる自然や文化の体験は、『もっと世界を知りたい』という意欲の発火点となります」。その約1週間後には、首都圏の大学もしくは大学院に留学している学生と交流しながらディスカッションやプレゼンテーションを行う「ISAプログラム」を実施する。アジアを中心とする各国の学生の英語や教養、人間性に触れて、グローバル社会に向けたキャリア意識の形成を狙うという。

 「高校受験がない中高一貫校の中3はいわゆる『中だるみ』の時期です。これらの行事は生徒の意欲向上に寄与しますが、さらに継続的に取り組める何かが欲しいと考えていました」。そこで、民間英語試験でスピーキング力が問われることを念頭に、会話力強化を図るためにオンライン英会話を導入した。

留学生と交流する「ISAプログラム」
留学生と交流する「ISAプログラム」

 「ISAプログラム」同様、非ネイティブ圏の英語に触れるという観点から、同校が選んだのは、合同会社「DMM.com」の英会話学習サービス「DMM英会話」だ。同サービスのサイトによると、スタンダードプランで世界124か国以上の講師を相手に、1回25分の授業を最大週7回受講できるとしている。英語のレベルは10段階から選ぶことができ、教材は通常の英会話テキストや各種の英語検定対策、デイリーニュース、テーマ別会話などさまざまな種類がある。

 「24時間いつでも受けられるので、あえて『学校では実施しない』ルールにしました。本校にはアメリカの学校を模した英語学習専用校舎があり、週2回の英会話の授業ではネイティブと日本人の教員によるチームティーチングで本場の英語や文化を学びます。ですからオンライン英会話は家庭学習として、世界の英語を学ぼうという考えです」。受講時期は、夏休み明けの9月から学年末までとした。ただ、今年度はコロナ禍により修学旅行などが中止となったため、時期を前倒しして8月1日からスタートしている。

話す楽しさが学習意欲を引き上げる

 英語科の北村洋教頭代理は、「多くの生徒が受講を楽しんでいます」と言う。「講師のスキルは高く、生徒の個性やペースに合わせてうまく話を盛り上げるなど、自然に会話をする環境を作ってくれます。月ごとの受講記録票に設けた保護者のコメント欄にも、『毎日よく頑張っている』『部屋から笑い声が聞こえた』という記述が見られます」

 熱心に受講している3人の中3生に話を聞いた。英語が得意で「高校で海外留学したい」と話す生徒は、デイリーニュースのプログラムを主に受講しているという。「最初は、あらかじめ話すことをノートに書いていましたが、即興で会話する力を付けたいので準備はしないことにしました。代わりに、その日出てきた言い回しや単語の復習は欠かしません」。会話を通して異文化への関心を深めている様子で、「国ごとに話し方が違うのが面白い。食事やファッションの話にも興味があります。たくさんの国の人と話して知識を広げたい」と話す。将来は外国語や国際関係の進路に進みたいそうだ。

 スポーツ好きでラグビー部の活動に打ち込んでいるという生徒は、身の回りのことについて会話するプログラムを中心に受講している。「お気に入りの先生がいて、時間が合えば必ずその人の授業を受けます。言葉に詰まっても先生は優しく待ってくれるし、話題を広げてくれるので楽しい。アフリカ人の先生を相手に、スポーツの話題で盛り上がる日もあります」。将来はプロ野球の球団職員になりたいといい、「ファンサービスや外国の選手と話す仕事もあり、コミュニケーション力と英語力は必須だそうです。毎日続けて二つの力を伸ばしたい」と話す。

オンライン英会話の導入について説明する北村教頭代理
オンライン英会話の導入について説明する北村教頭代理

 「実は英語は苦手」と話す生徒は、「まず会話の型や発音を身に付けたい」と、標準的な英会話のテキストで役立つフレーズの練習に励んでいるという。「学校のネイティブの先生と違い、日本語を知らない先生が多いので、どうやったら伝わるか考えて努力します。リスニング力も鍛えられたと思います。いろんな先生と話しますが、自分がいつも同じ自己紹介しかできないのが悔しく、相手に合わせていろんなことが話せるよう、趣味を広げたい」

 「彼らのように毎日受講するのが理想ですが、他の勉強や生活の都合もあるため、最低週2回実施を基準としています」と北村教諭は話す。各生徒の受講回数は学校で管理し、月ごとのランキング表を作って教室に貼り出している。8月は学年150人中10人余りが皆勤だったが、1人あたり1か月の平均受講回数は約12.1回だという。「これを15回、16回と高めていきたい」。基準に達しなかった生徒は放課後に学校で受講させているが、実際にやってみると『楽しかった』という生徒が多いそうだ。「ですから、受けるまでのハードルをいかに下げるかが課題です」

 学校の英語授業でもオンライン英会話で使える話題づくりをサポートしている。授業で出た新しい文型や言い回しを使うことや、英会話授業で行う「Show&Tell」の応用も勧めている。「最近見た映画のチラシを取り出して、『これ、見ましたか』と切り出す。見た相手ならそれで話が盛り上がるし、見たことがなければ内容を説明して『面白いよ』と勧める。すると、次回の対話にもつながります」。話が合う講師との出会いは、続けるモチベーションになる。「学校ではおとなしいのに、オンライン英会話を月に20回以上受けている生徒もいます。漫画やアニメなど、共通の話ができる先生を見つけたんだそうです。いい出会いをしたなとうれしく思っています」

堂々と英語を話す生徒が増加中

英語力強化のプログラム作りに携わってきた五味教頭
英語力強化のプログラム作りに携わってきた五味教頭

 導入1年目の昨年度末、効果を検証する試験を行う予定だったが、コロナ禍に伴う休校に入ったため実施できなかった。それでも北村教諭によると、定期試験の成績や実用英語技能検定の合格率は上がっているという。「英会話の授業でも、話す文がより長く、リアクションもより素早くなってきました。ペアワークによる会話練習にも積極性が増しました。プレゼンテーションやスピーチの際も聴衆の方を向いて目を見て話すなど、堂々とした態度になってきました」

 高校進学後の受講は希望制だが、今年度の内進生150人のうち約100人が継続受講しているという。「楽しい上に、向上している実感があるのでしょう。高1ではネイティブと会話するコースも設定しており、オーソドックスな英語を身に付けることができます」

 好調に結果を出しているオンライン英会話に、五味教頭も期待を寄せている。「本校は中学卒業までに英検準2級取得を目標としており、5年連続で7割の生徒が達成しています。オンライン英会話にしっかり取り組めばさらに8割、9割にも手が届くでしょう。何より、英語で世界中の人とコミュニケーションできる楽しさを知ってほしい。それがグローバル社会に生きる力となるはずです」

 ICTの発達により、海外の人や文化にアクセスするハードルは大きく下がった。教育界にもその恩恵が着実に表れている。

 (文:上田大朗 写真:中学受験サポート)

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