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日本では報道されない 安倍元総理のこれほどまでの「海外での影響力」 – ニッポン放送 NEWS ONLINE

経済アナリストでSBI FXトレード社外取締役のジョセフ・クラフトが7月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。海外で大きな影響力を発揮した安倍元総理について解説した。

【政治 菅内閣発足】職員から花束を受け取り、首相官邸を後にする安倍晋三首相=2020年9月16日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

安倍元総理大臣の死去を受けてアメリカの国務長官が急遽来日

銃撃され暗殺された安倍晋三元内閣総理大臣に哀悼の意を示すため、アメリカのブリンケン国務長官が7月11日、急遽来日した。ブリンケン氏は岸田総理大臣と会談し、哀悼の意を伝えた。また、バイデン大統領からの安倍元総理の家族に宛てた手紙を日本側に手渡した。

飯田)7日~8日にインドネシアで開かれていたG20外相会合などに出席するため、インドネシアとタイを訪問していましたが、急遽、日本に寄ったということです。

クラフト)大変ショッキングなニュースで、私もいまだに現実感がありません。アジアにいたとしても、閣僚高官が弔問に訪れるということは異例で、それだけ世界での安倍元総理の存在感が大きかったということを証明する一例ではないかと思います。

日本で報道されている以上に安倍元総理の海外での知名度、影響力は大きい

飯田)海外でもメディアで大きく報道され、政治指導者が次々にお悔やみの言葉を述べています。

クラフト)私自身の見識では、国内ではあまり報道されませんが、十数年前の日本の国際社会での地位は相当落ちていました。それを立て直した安倍元総理の功績は非常に大きいです。いま日本が国際社会やG7、G20で影響力を持つようになったのも、安倍政権の外交の努力だと思います。

飯田)安倍政権の。

クラフト)アベノミクス経済への貢献も高く評価されるべきなのですが、集団的自衛権も含めた安倍外交の貢献は計り知れないのではないかと思います。

飯田)海外の報道などを見ると、そちらの部分での評価の方が大きいですか?

クラフト)大きいですね。海外はそのように見ていますし、あの米誌『TIME』が安倍元総理を3週連続で表紙に載せると言っているほどです。日本で報道されている以上に、海外での安倍元総理の知名度や影響力は大きいのです。

戦後のG7で、これほどまでに存在感を示した日本の総理はいない ~オバマ・トランプ両政権と上手く付き合う

飯田)第2次安倍政権が7年8ヵ月続きました。そのなかで「アメリカとべったりではないか」というような批判もされましたが、決してそれだけではなかったということでしょうか?

クラフト)日本で最も外遊を行った総理でもありますし、対中関係や韓国などとのいろいろな外交問題に取り組みました。安倍さん自身も北方領土問題を解決できなかったことに悔しさを述べていましたが、ロシアとも取り組み、いろいろな国と接して日本の世界での地位を戻した功績は、決して忘れてはいけないと思います。

飯田)在任中のアメリカの大統領も、最初はオバマ政権でした。それからトランプ政権に変わり、最初にG7の首脳としてトランプさんに会いに行ったのも安倍さんでした。

クラフト)最初の出だしは、少しオバマ政権とはギクシャクしていました。オバマ政権は中国にべったりでしたが、リスクある中国から正しい方向へ軌道修正させた。そして、ほとんどの欧米諸国のトップが良好な関係を持ちにくかったトランプさんと、上手く付き合うやり手でもありました。日本のためにトランプ政権と上手くやり合ったことは大きかったと思います。

飯田)オバマ、トランプ両政権と上手くやった人はそうはいないですよね。

クラフト)正反対の性格の持ち主と上手くやるというのは、個人的な好き嫌いを超えたものでなくてはできません。

飯田)最初にギクシャクしていたオバマ政権との関係も良好になっていきました。アメリカの上下両院合同会議での演説もインパクトがあったようですね。

クラフト)英語でスピーチして影響力を持ちました。

飯田)希望の同盟という。

クラフト)そうですね。ドイツの高官から聞いたのですが、G7の場で議論が白熱して合意ができないときに、安倍元総理が割って入って合意案を出したり、最後に締めたりと大きな存在感があったそうです。戦後のG7で、これほどまでに存在感を示した日本の総理はいないとも言っていました。

2019年9月5日、東方経済フォーラム全体会合でスピーチする安倍総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201909/05eef.html)

G7での「トランプ大統領対欧州」の対立に重要な役割を果たした安倍元総理 ~欧米各国からも慕われる

飯田)よく覚えているのが、カナダでのG7サミットでメルケルさんが机を叩かんばかりにトランプさんに迫っていったとき、トランプさんが最後に「シンゾー、お前はどう思う?」と聞いて決めたらしいですね。

クラフト)あれは衝撃的でした。トランプさんはすぐにそのままシンガポールへ行こうとしていたのです。実は「お前はどう思う?」と言っただけではなくて、最後は「あとはシンゾーに任せた」と言って立ち去ったのです。アメリカという大国が、G7で自分の国の声明文を他の国の首相に委ねるということは通常、あり得ませんので、相当信頼していたのだと思います。

飯田)アメリカからすると、G7は先進7ヵ国が集まってはいますが、「中心は自分だ」と思っているわけですよね。

クラフト)大事なポイントは、G7のなかでは「トランプ大統領対欧州」の対立があったということです。しかし安倍元総理は、決して「日米対欧州」という形にはしませんでした。メルケルさんやフランスのオランド氏、マクロン氏といった欧州国のトップからも慕われていたのです。敵味方をつくるのではなく、間に入る、それが日本の信頼に寄与したのだと思います。

飯田)微妙なところをきちんとつないでいく立ち位置は、今後も生かされるロールモデルにもなり得ますよね?

クラフト)いま、岸田外交がこれだけ存在感を示しているのは、安倍政権がつくり上げた土台の上に立っているからです。岸田さんも外務大臣としての経験があり、外交には長けていますが、安倍政権がつくり上げた土台は大きいと思います。

憲法改正については「議論すること」が大事

飯田)そのようななか、選挙で信任を得た岸田政権ですが、憲法改正についても11日の会見のなかで、「できる限り早く発議したい」とおっしゃっています。選挙のあと、私も特番でインタビューしましたが、「アジアのなかでも多国間の秩序をつくらなければいけない。それに対して汗をかいていく。自由で開かれた価値観を共有するところでやる」とのことでした。これを突き詰めていくと、「集団的自衛権をどうするのか」というような憲法問題にもなります。憲法の話は今後、外交にも直結していきそうですね?

クラフト)まさしくそうなります。近年、アメリカの影響力が停滞するなかで、アジアでのリーダーは日本に求められている。少なくともアメリカは、以前にも増して日本にアジアのリーダーシップを取ってもらいたいと思っていますし、現にリーダーシップを発揮していると思います。

飯田)アジアでのリーダーとして。

クラフト)ウクライナや中国の問題を考えると、防衛力の強化が問われていきます。その意味では、憲法改正はその一環として必要ですし、安倍政権で成し遂げた集団的自衛権が、いま生かされ始めているのではないかと思います。

飯田)「どのように議論していくのかはこれからだ」ともおっしゃっていましたが、一応、自民党は4つの項目を出しています。緊急事態条項などがまずは争点になってくるのでしょうか?

クラフト)憲法改正は安倍元総理の悲願で、(第2次)安倍政権が発足した2012年から言われていますが、ほとんど進歩していません。やっと今回の選挙で議論が進んでいくことになります。中身はそれぞれの党が主張し合っていく。大事なことは、「議論をする」ということです。それによってどのような方向性に行くかを詰めていく。まずは議論が大事なので、そこに1歩踏み込むべきではないでしょうか。


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