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【更新】ウクライナへの寄付、どうすればいいの? | NHK | News Up

【更新】ウクライナへの寄付、どうすればいいの?



ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始して1か月余り。苦しむ人たちのために、日本からも何かしたいと、寄付を考えている人もいるのではないでしょうか。
SNS上では、「武器の購入につながるおそれは?」などと使いみちを心配する声も見られます。
寄付金の使いみちや注意点、寄付先などについて調べました。
(3月3日に公開した記事から寄付先一覧や寄付の注意点の情報を更新しました)


目次

1 支援の輪が広がる
2 寄付の考え方を巡って議論も
3 しっかり寄付先は考えて
4 寄付とは別のかたちでも
5 寄付先を選ぶポイント
6 寄付はどう使われるの(取材した寄付先の一覧)

支援の輪が広がる

東京の在日ウクライナ大使館の玄関前には献花台が設けられ、たくさんの花や「皆さんを応援しています」などと書かれたメッセージが置かれていました。

取材中も寄付や献花のために訪れる人が相次ぎ、大使館の職員に直接、寄付金を手渡す人も見られました。

寄付金を手渡した男性
『ウクライナに自由を』ということで、できることは何かなと考え寄付金もその1つかなと思いました。直接届けたいと思い、大使館を訪れました。

また手紙とともに花を添える女性の姿も。

献花に訪れた女性
ウクライナで起きていることがひどすぎて、信じられません。人道支援の一助になればと寄付もしましたが、もっと何かできたらいいのにと思っています。小さな行動かもしれませんが、ウクライナの人たちにともにいますと伝えたいです。

在日ウクライナ大使館の3月25日のツイートによりますと、日本ではおよそ20万人から、合わせて50億円以上の寄付が寄せられているということです。

在日本ウクライナ大使館
「避難者の生活支援、インフラ復旧、住宅再建などに使わせていただきます。大使館に寄せられた寄付は武器には使いません」

これだけ多くの寄付が大使館に寄せられた背景について寄付に詳しい専門家は。

日本ファンドレイジング協会 鵜尾雅隆 代表理事
海外で起きた事象に短い期間でこれだけ多くの寄付が集まる例はあまりなく、平和を応援する手段として数多くの人が寄付という支援を選んでいます。今回の侵攻の不条理さや、安全保障上の課題を抱える日本にとっても決してひと事ではないという理由で、寄付への関心が非常に高まっているのではないでしょうか。

寄付の考え方を巡って議論も

SNS上では寄付金をどう使ってほしいかについての言及も。

実業家の前澤友作さんは寄付した団体名をあげたうえで自身が必要と考える分野に支援が届くように考えたと記しました。

ウクライナへの支援にあたって、寄付金が武器購入費になってしまうのは避けたいと思いましたので、人道支援や医療支援に限定して活動している以下の団体に寄付させていただきました(前澤友作さんのツイート)

前澤さんの投稿にはさまざまな反応が寄せられました。

こうなった時、いつもどこへ寄付したらいいのかと悩み迷います。こうしてナビしていただけると無知な私でもスムーズに寄付できるので助かります

ボクは凄く納得できる説明ですね。寄付って本当にどこに使われるかわかったものじゃないです。その日本円が人を殺す事を容認するのなら、ボクは寄付を否定します。それが人を救う事になるのなら、ボクは寄付を容認します

武器に支援してしまうのは戦争に加担するようで嫌なのは分かりますが、攻撃されてる以上防衛しないと被害拡大してしまうので、防衛のための支援と考えたら武器に対する支援も悪いことではないかと思います

しっかり寄付先は考えて

寄付金が武器の購入費などに使われた場合、結果的に戦争に加担することにつながるのではという指摘について、国際政治学が専門で戦争と人道支援に詳しい岐阜大学の上野友也准教授は次のように説明します。

岐阜大学 上野友也 准教授
使いみちを明示していない団体などに寄付した場合、武器の購入などに使われる可能性は否定できないと思います。それを避けたければ、武器を買うことが考えられない援助団体や国際機関を通すのがいいのではないでしょうか。

寄付や援助が戦争へ加担することにつながるのではという点は、これまで何度も指摘されてきました。アフリカなどでは、支援物資を換金して武器を買う資金にしたり、難民キャンプが兵士の供給源になったりするという例がありました。ただ、そういう意味で戦争加担になりうるかもしれないとすべての寄付を否定したり、援助団体を批判したりするのではなく、いろいろな意見を知ったうえで自分がどうするべきか考え、行動を決めることが適切なのではと思います。

では、寄付をする時には何に気をつければよいのでしょうか。

寄付に詳しい専門家は団体のホームページなどで寄付の使いみちを確認したり、刻々と変わっていく現地の状況を注視したりしながら自分が納得のいく寄付先を見定めていくことが大切だとアドバイスします。

日本ファンドレイジング協会 鵜尾雅隆 代表理事
寄付をする動機というものは一人一人、当然異なるもので、そこに正解はありません。軍事利用は避けてほしいと考える人もいれば、平和を取り戻すために軍そのものを支援したいと考える人もいます。海外では、ウクライナ軍に直接、寄付をできる仕組みも見られますが、日本人には過去の歴史を踏まえると軍事的な目的に寄付金が使われることをためらう気持ちは少なくないと思います。

自分の心が動いて正しいと思ったことに寄付をすることが何よりも重要で、そのことが資金支援の意味をこえて受け取った側に大きな力や勇気を与えることがあります。一人一人の支援が積み重なっていくことがメッセージになり、もしかすると戦争を起こしてはいけないという抑止力にもつながっていくと思います。

寄付とは別のかたちでも

ウクライナに寄り添いたいという気持ちを別のかたちで表そうという動きも出ています。

1年間、ウクライナの首都・キエフの大学に留学していた山崎有紗さんは、寄付をしたくても金銭的な余裕がない大学生や子どもたちでもできるプロジェクトを行っています。

「#SunflowerFromJapanプロジェクト」と名付けられたこの取り組みは、ウクライナを象徴する花、ひまわりの絵を描いてSNSに投稿しようというものです。

東京外国語大学4年生 山崎有紗さん
寄付だけでなく、『応援している』という気持ちを伝えるだけでも、意味があると思っています。ひまわりはロシアでも親しまれている花なので、双方の国の人たちが平和で心穏やかに過ごせるようになってほしいです。

寄付先を選ぶポイント

ウクライナに対しては、さまざまな目的から寄付や募金、救援金への協力が呼びかけられています。

寄付する先が信頼できる団体かどうかを見極めるための具体的なポイントを、NPOの活動に詳しい寄付アドバイザーの河合将生さんに聞きました。

1.団体の活動目的
まずは団体のもともとの活動目的を確認してください。ウェブサイトで「目的」「ミッション」として記載されていることが多いので、まずはそこを読んでみてください。
例えば紛争や災害時の緊急支援、難民支援をもともとの活動目的にしている場合には、ウクライナへの支援とも一致するとみることができます。

2.具体的な支援・内容
寄付で集めたお金を具体的に何に使おうとしているのか確認してください。現地での活動状況を写真付きで報告しているような団体であれば、現地との間にしっかりとしたネットワークがあるということなので信頼できる証にもなります。

3.過去の活動実績
現時点ではまだ支援が始まっていなくても、過去に別の地域での紛争や災害時に現地で支援をした実績があれば、これも信頼できる証です。さらに詳しく知りたい場合には、団体がウェブサイトなどで公開している「年次報告書」や「財務報告書」で寄付金がどう使われたかを確認できるということです。

河合将生さん
寄付はお金だけでなく支援の思いを託す行為でもあるので、しっかり活動している団体は、寄付してくれた人とのコミュニケーションを大事にします。
定期的な活動報告があるかは信頼できる団体かを判断する大きな材料になります。

寄付はどう使われるの

ウクライナへの寄付を呼びかける国連機関やNGOに活動実績や使いみちを取材しました。
(3月30日時点の情報です)

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)

日本の公式支援窓口の国連UNHCR協会が支援を受け付け
紛争や迫害により故郷を追われた難民、避難民を国際的に保護・支援する国連機関の1つで、ウクライナおよびヨーロッパ地域での救援活動に充当。
ウクライナ国内では、首都キエフなどを拠点に活動を継続。避難する人が一時的に滞在できるセンターを設置したり、現金支援を行ったりしている。
周辺国では、国境を越えて避難してくる人たちを受け入れ、保護者のいない子どもへの支援やシェルターの設置、心に傷を負った子どものための心のケアなどを実施。

電話:0120-540-732(平日 午前10時~午後7時)

日本ユニセフ協会

子どもとその家族が支援の対象。
現在もウクライナから撤退せず、西部リビウを拠点に活動を続けている。断水している地域に対して、給水車や飲料水で安全な水を届けているほか、移動式のチームを立ち上げ、子どものケアにあたっている。また医薬品不足が深刻なため、出産や新生児のための物資を送るなど保健医療面の支援も実施。
周辺国では保護者とはぐれたり、単独で国境を越えて逃げてきたりした子どもの保護に加え、赤ちゃんを連れている親に必要な物資の支援や子どもが遊べる拠点づくりも行う。

電話:0120-88-1052(平日 午前10時~午後5時)

WFP(世界食糧計画)

リビウなどを拠点に食糧支援を実施。キエフやハリコフ、スムイ、ザポリージャなどでパンや小麦それに栄養強化ビスケットなどを77万人に支援。
また隣国モルドバの受け入れセンターで、避難してきた人たちに温かい食事を提供。

電話:0120-496-819(午前9時~午後6時 年末年始を除き土日祝も対応)

UNFPA(国連人口基金)

ウクライナとモルドバで支援を実施。
避難中、もしくは医療サービスへのアクセスを失っている妊産婦や暴力の被害者を対象に、心理社会的サポートや専門家による対応などのヘルスサービスを拡大。
母子保健に必要な医薬品や生理用品を提供しているほか、避難を余儀なくされている女性や少女、高齢者への資金援助、ジェンダーに基づく暴力を防ぐためのシェルターの設置など。

電話:03-5467-4684(平日 午前9時半~午後5時半)

日本赤十字社

各国の赤十字組織が実施するウクライナでの人道危機対応、避難した人たちを受け入れる周辺国とその他の国々における救援活動の支援。
ウクライナ国内では食料、水、救援物資の配布に加えて、地元の病院などへの医療支援、不発弾のリスクの啓発を実施。
周辺国では一時的なシェルターの提供、心のケア、離れ離れになってしまった家族の連絡回復・再会支援などを行っている。

電話:03-3437-7081(平日 午前9時~午後5時)

アドラ・ジャパン

紛争や自然災害の被災者、医療を必要としている人々、それに教育を受けられない女性や子どもなどの自立を助ける支援や緊急支援。
キエフ近郊などを拠点に食料や水、衛生用品などを配布。避難を希望する人に対する移動支援も行っている。
周辺国では避難者を受け入れる拠点の設置、食事の提供、子どもの遊び場作りなどを実施。避難した人たちが滞在するホームステイ先の調整も。

電話:03-5410-0045(平日 午前10時~午後5時)

難民を助ける会

紛争や災害などにより困難に直面している人々を支えるNGO。
ウクライナ西部にある修道院に避難してきたシングルマザーの母子や地域の人たちに支援を実施。足りない薬や衣類、食料、生活用品などの物資をポーランドから届けている。
モルドバでは、避難している人たちに温かい食事を届けたり、聞き取り調査をしたりしながら電化製品の支援などを行っている。

電話:0120-786-746(午前10時~午後6時 日祝を除く)

ピースウィンズ・ジャパン

日本で立ち上げられたNGOで、紛争や災害、貧困などの脅威にさらされている人々に支援活動を行う。
キエフの医療機関に現地のNGOを通じて不足している医薬品を届けている。
またモルドバにスタッフを派遣し、避難している人に食料や水、寝具などを支援している。
日本人の医師と看護師をモルドバに派遣し、停戦後にウクライナ国内でどういう形で医療支援ができるかを検討する予定。

電話:0120-252-176(平日 午前10時~午後5時)

国境なき医師団

ウクライナ各地の医療機関に、外科手術や救急医療で必要な医薬品や物資を届けている。また、ウクライナにいる医師などに対し、戦闘負傷者(爆弾や銃などによるけが人)の治療方法の技術的な指導を対面やオンラインで実施。
ウクライナ国内外で避難している人を対象にした移動診療や心のケアも行う。

電話:0120-999-199(平日 午前9時~午後6時)

プラン・インターナショナル

子どもの権利を推進し、貧困や差別のない社会を実現するために活動する国際NGO。
ポーランド、ルーマニア、モルドバの現地の団体と連携し、避難してきた女の子や女性などを保護する避難所を整備。学校に通えない子どもが教育を受け続けられるよう、学習キットを支給している。
また心のケアをするカウンセリングを実施するとともに、保護者など周囲の大人にケアの方法を教えている。

電話:03-5481-6100(平日 午前9時~午後5時半)

ピースボート災害支援センター

現地のNGOと連携して医薬品などを購入し、ウクライナ国内の病院に届けている。
高齢者や障害がある人など食料や生活物資の入手に困る人たちへの支援も検討中。今後、ルーマニアに避難した人への定住や移住に向けたサポート、心のケアなども実施予定。

電話:03-3363-7967(平日 午前11時~午後4時)

セーブ・ザ・チルドレン

衛生用品(マスク、せっけんや洗剤、歯ブラシなどの衛生用品キット)を配布。養育者と離れ離れになった子どもの迅速な特定と家族の再会支援。子どもの保護に加え、食料などの生計支援、住居や食料以外の物品支援。
子どものいる家庭の家賃や光熱費の支払い、冬服、暖房器具購入のために、現金の支援、物品の提供のほか、各世帯が必要最低限の食料などを購入できるように現金を提供。
目標金額に達したため、ウクライナに特化した募金は3月30日午前10時で終了。

電話:03-6859-0068(平日 午前11時~午後4時)

また、「楽天」や「ヤフー」など民間企業でも支援の寄付を呼びかける動きが広がっています。

(ネットワーク報道部 廣岡千宇 柳澤あゆみ 鈴木彩里 藤島新也)

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