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【2021年8月分】自動運転・MaaS・AIの最新ニュースまとめ | 自動運転ラボ

東京2020オリンピック・パラリンピックが開催された2021年8月。コロナ禍での開催に未だ賛否両論が激しくぶつかり合っているが、それだけ注目度も高いと言える。

当メディアでも、8月の閲覧数はWoven City関連の記事(8月17日付)とともに五輪関連の記事(8月15日付)が大きく伸びた。

もちろん、上記2件をはじめこの8月も国内外でさまざまな動きがあった。さっそく2021年8月の10大ニュースを振り返っていこう。

■約4,000万円!東大発テトラ、空飛ぶクルマの予約販売をいよいよ開始(2021年8月3日付)

空飛ぶクルマの開発を手掛ける国内スタートアップのテトラ・アビエーションが、商用モデル「MK-5」の先行予約を開始した。2022年中の機体引き渡しを予定している。

MK-5はeVTOL(電動垂直離着陸機)の1人乗り新機種で、価格は約4,000万円。機体サイズは幅約8.62×長さ6.15×高さ2.51メートルで、モデルSN3は巡航速度144キロで航続距離151キロ、モデルSN4は巡航速度160キロで航続距離160キロを実現するという。

空飛ぶクルマの開発を巡っては、海外スタートアップが大型受注案件とともに株式上場する動きが目立ち始めており、本格実用化が目前に迫っている印象だ。

国内では、2025年に開催予定の大阪・関西万博などでお披露目される計画などが進められているほか、荷物の配送など物流を担うeVTOLは2022年度にも実用実証が本格化する見込みだ。

従来の飛行機やヘリコプターなどに加え、eVTOLの実用化により空の交通網が大きく変化する時代も間もなく到来するようだ。

■境町の自動運転バス、サービス大幅拡充!ルート拡大、LINEでのオンデマンド運行も(2021年8月6日付)

茨城県境町の自動運転バスがサービスを増強している。サービスインから8カ月が経過し、走行経路は当初の4倍にあたる約20キロまで拡大され、貨客混載の取り組みなども始まった。

同町の自動運転バスはBOLDLYとマクニカの協力のもと2020年11月に定常運行を開始した。これまでに延べ6,500キロを走行し、約3,100人が利用しているという。

8カ月間にわたる安定運行の経験を踏まえ、運行ルートを従来の計5キロから20キロに拡大するとともに、バス停を10カ所増設してオンデマンド運行のモニター実証を開始するほか、土日祝日の運行や貨客混載による運行などにも取り組む。将来的には、境町全域へのルート延伸を実現する構えだ。

BOLDLYとマクニカが関係する自動運転バスは、羽田空港隣接の大規模複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」でも定常運行しているほか、自動運転バス「NAVYA ARMA」を活用した実証も全国各地で進められている。

現在はセーフティドライバー同乗のもと運行しているが、レベル4に向けた法改正が実現した際、公道走行実績を考慮するとBOLDLYらの取り組みが改めて第1号案件となる可能性が考えられる。境町のように実績を積み重ねているエリアに再度大きな注目が集まりそうだ。

■トヨタ出資の未来創生ファンドに「3号」!次なる自動運転関連の投資先は?(2021年8月7日付)

スパークス・グループ、トヨタ、三井住友銀行が出資する未来創生ファンドが、新たに3号ファンドを設立したと発表した。総額約 150 億円の出資で2021 年 10 月から運用を開始し、最終的には総額1,000億円規模のファンドを目指す方針だ。

同ファンドは、「知能化技術」や「ロボティクス」、「水素社会実現に資する技術」を対象に2015年に第1号ファンドがスタートし、2018年には「電動化」「新素材」を加えた5分野を対象とした2号ファンドが設立された。3号ファンドでは「カーボンニュートラル」が新たに追加された。

モビリティ関連では、これまでに米May MobilityやLocal Motors、Getaround、日本のティアフォーやWHILL、AISing、Mobility Technologies(旧JapanTaxi)などに投資している。

自動運転開発分野も対象となるだけに、業界のイノベーション加速に向け今後どのような企業が新たに名を連ねるのか、要注目だ。

■百度、上海市で「Apollo Park」開設!自動運転実証の場が拡大(2021年8月10日付)

中国の自動運転開発の雄・百度(バイドゥ)が、上海市内に自動運転実証が可能な「Apollo Park(アポロパーク)」を開設した。北京、広州に次ぐ3カ所目で、上海には最終的に200台以上の自動運転車を配備する予定という。

同社は7月に広州でロボタクシーサービスを正式にローンチしており、すでにサービスインしている長沙、滄州、北京を加え4都市で一般市民を対象に自動運転サービスを提供している。広州では、乗降可能なピックアップステーションとドロップオフステーションを237カ所配置しており、その数はまだまだ増加中という。

新たなアポロパークの開設でさらに開発を加速していく構えで、上海をはじめ今後3年間でロボタクシーサービスを30都市に拡大していく方針としている。車両数は3,000台以上に上るという。

これまで自動運転分野においては米Waymoが世界をリードしていたが、アポロ計画を擁する百度の躍進が著しく、リーディング企業の座を奪取する勢いだ。

■自動運転の無人交番、日本の三笠製作所が開発!ドバイ万博に納車(2021年8月10日付)

三笠製作所とドバイ警察が共同開発を進めている遠隔自動運転で移動可能な世界初の交番「SPS-AMV」の2号機が、ドバイ万博に配備されることが発表された。

SPS-AMVは、ワイヤレス充電や太陽光発電で稼働する自動運転・電動ビークル(AMV)に、警察行政サービス端末(SPS)を搭載したもので、ドバイ警察本部とインタラクティブ通信し、犯罪や交通違反を検知・通報する前後方360度カメラシステム機能も搭載する予定で、速度違反や駐車違反を自動検出して通報することができるという。

さらに、不審者・不審車両の検出や火災判定、交通量調査、道路状況の監視などの各機能を備えるほか、RDS製のパーソナルモビリティーや電動バイク、HAKOBOTの小型自動運転車両を搭載する予定という。

完成すれば、都市を移動しながら移動先の住民に各種支払いや住民票の出力、遺失物の紛失・盗難届など、約30の行政サービスを提供することが可能という。実サービスを見越した多機能化にも開発の焦点が当てられているようで、将来は移動可能な役所の出張所などさまざまな場面で活躍しそうだ。

■世界の未上場AI企業による資金調達、ソフトバンクGが10%提供 2017年以降(2021年8月10日付)

ソフトバンクグループが第1四半期決算説明会の中で、2017年以降における世界の未上場AI企業の資金調達の約1割を同グループが提供していることを明かした。

2021年3月期の通期決算で日本の企業として史上1位となる4兆9,879億円もの最終損益を計上した同グループ。この利益を大きくけん引したのが投資事業であることは言うまでもなく、モビリティをはじめフィンテックやエドテック、ヘルステックなど多くの領域でAIを活用した先端技術の研究開発を進める企業に投資している。

自動運転分野ではスタートアップの株式市場上場が相次いでおり、同グループ関連ではDidi Chuxingやフル・トラック・アライアンスなどがすでに上場を果たしている。現段階では利益に直結するものではないが、上場はビジネスの本格化を示す動きでもある。近い将来、モビリティ分野からも同グループの業績に大きく貢献する企業が出てくることはほぼ間違いなさそうだ。

■自動運転開発の中国Pony.ai、米国市場での上場計画を凍結か(2021年8月13日付)

ニューヨーク証券取引所に上場予定の中国スタートアップPony.aiが、計画を一時中断することが報じられた。先行き不透明な米中関係が背景にあるとみられる。

自動運転業界ではこの一年ほど、LiDAR開発企業や自動運転トラックなどを中心に上場ラッシュを迎えつつある。中国系では、配車サービスのDidi Chuxingや自動運転トラック開発のTuSimpleがすでに上場を果たしているほか、Plusなども上場計画を明らかにしている。

自動運転技術の社会実装の本格化を象徴する明るい動向だが、米市場に上場したDiDiは直後に中国政府からサイバーセキュリティ関連を問題視され、アプリの新規ダウンロードを禁止された。プラットフォーマーとしては大打撃だ。

対米国を念頭にハイテク関連企業の取り締まりを強化しているとの見方が強く、ロイター通信によると、Pony.aiも取り締まり対象外との保証を得られなかったことから上場計画を凍結させたようだ。

中国系スタートアップは、米国・中国両方を股に掛け研究開発や実用化を進めている企業が多いが、米中貿易戦争が自動運転開発に水を差す懸念は依然として拭われていないのが現状だ。今回のPony.aiの決断は他社の動向に影響を及ぼす可能性も考えられるため、しばらく注視が必要だ。

■海外メディア「五輪の栄光はトヨタの手に」 自動運転e-Paletteをどう評価?(2021年8月15日付)

東京2020オリンピック・パラリンピック大会において、選手や大会関係者の移動をトヨタのMaaS専用自動運転EV「e-Palette」がサポートしている。

すでに閉幕したオリンピックでは、16台のe-Paletteが選手村構内を走行した。完全無人ではないものの、オペレーター同乗のもと自動運転技術を世界のアスリートに提供したようだ。このほかにも、ハンマー投げの鉄球やラグビーボールなどを運ぶフィールド競技サポートロボットや、AIバスケットボールロボットなども活躍した。

大半が無観客での開催になったとは言え、大舞台における先端技術のお披露目は世界中のメディアの注目を集めたようだ。自動運転をはじめとした先端技術が社会でどのように役に立つのか、あるいは利活用できるのか、より広く社会受容性を喚起するのに五輪はもってこいの舞台だ。

パラリンピックでもさまざまなモビリティが導入される予定だ。身体や視覚などさまざまな障がいを抱える選手らを先端技術でどのようにサポートできるのか。福祉の観点やユニバーサルデザインの観点などからも注目したい。

■トヨタWoven Cityの初期住民は8種類、あなたは住める?自動運転を試す街(2021年8月17日付)

建設が始まったトヨタの実証都市「Woven City」。インフラ整備などと並行してさまざまな実証が代わる代わる行われる予定だが、記事では、過去に豊田章男社長が言及した内容をもとに、初期の住人となる対象に迫っている。

初期住人は2000人規模で、プロジェクトに参画する科学者やパートナー企業の担当者のほか、退職した夫婦や小売店舗で働く人、暮らしを改善したい人なども含まれている。

無人化技術など最先端の実証が行われるが見込みだが、それらは人間生活や社会における課題解決や利便性・快適性の向上など「暮らし」をより良いものに変えていくための試みだ。日々の生活の中で各社による実証を体験する、いわばモニター住人も必要不可欠ということだろう。将来、希望者が比較的自由に移住できる可能性もありそうだ。

企業案件では、すでにENEOSが水素ステーションの建設・運営やグリーン水素の使用、の需給管理システムの構築など水素エネルギーの利活用に向け具体的な検討を開始している。未来に向けた新たな都市づくりの取り組みに引き続き注目だ。

■ドイツ議員の決断力!「完全自動運転」条件付きでGOサイン(2021年8月20日付)

ドイツが自動運転レベル4を可能にする道路交通法の改正案を可決した。2022年までの施行を目指す構えで、自動車大国から自動運転大国への大きな一歩を踏み出した。

改正法は無条件にレベル4走行を認めるものではなく、サービス種別や形態など一定条件を満たしたものを認可していくような形式になるようだ。

逆の言い方をすれば、要件を満たせば自動運転をサービス実装することができることになる。このため、世界各国の自動運転開発企業がドイツに集結し、実用実証に力を注ぐ可能性が考えられる。こうした各企業の取り組みに対する受け入れ態勢などにも注目したい。

なお、日本でも公道におけるレベル4を可能にするため、道交法改正などに向けた議論が進められている。ドイツの取り組みを参考に、安全性を損なうことなく道路交通にイノベーションをもたらす「日本モデル」の構築に期待したい。

■【まとめ】米中市場の動向は要注視

国内では、トヨタグループによる取り組みが五輪に留まらずWoven Cityや投資などにも及び、それぞれ話題となったようだ。三笠製作所の無人交番も非常に興味深い。

海外では、サービス実装や法改正などレベル4実用化に向けた取り組みが盛んな一方、Pony.aiの上場凍結のように暗雲が立ち込めたかのような話題も飛び出した。米国・中国という世界の2大市場の波乱は世界を巻き込む可能性が高く、中止が必要だ。


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