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「ワールド・ベスト・ヴィンヤード 2020」ベスト50発表 ――「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」が日本初選出の快挙

イギリスのウィリアム・リード・ビジネス・メディアが、ワインツーリズムに取り組む世界最高のワイナリーを選出する「ワールド・ベスト・ヴィンヤード 2020」のベスト50を発表した。

世界の名だたるワイナリーとともに、メルシャンの「シャトー・メルシャン 椀子(まりこ)ワイナリー」(長野県上田市)が30位に選出された。これは、日本のワイナリーとして初の選出となる。さらに同ワイナリーは、ベストアジアにも選ばれた。

「ワールド・ベスト・ヴィンヤード」とは

「ワールド・ベスト・ヴィンヤード(World’s Best Vineyards)」は、世界最高峰のワイン・コンペティションである「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(International Wine Challenge)」を主催する、イギリスのウィリアム・リード・ビジネス・メディアが2019年から開催している。このコンペティションでは、ワインの生産だけでなく、醸造所やぶどう畑の見学、ワインのテイスティングなどができるワイナリーツアーを実施し、素晴らしい景色やレストラン、滞在場所を兼ね備えるなど、優れたワインツーリズムに取り組むワイナリーを選出している。

選出方法は、まず、世界を18地域に分け、地域ごとにワインやツーリズムの専門家36人を投票者として指名する。そして、世界で500人以上に及ぶ投票者が、優れていると思う順に7つのワイナリーに投票する。ただし、公平を期すために、投票者は自身が属する地域以外のワイナリーを少なくとも4つ以上投票しなければならない。選出候補となるワイナリーのリストは存在せず、全て投票者が自主的に投票する。2020年は、1800以上のワイナリーが票を獲得した。

2020年の傾向は“多様性”

2020年のベスト50には、5大陸、18カ国のワイナリーが選ばれた。そのうち初選出のワイナリーは17軒だった。

ベスト50の中には、ボルドーの「シャトー・マルゴー」(22位)、「シャトー・ディケム」(31位)、「シャトー・ムートン・ロートシルト」(33位)など長い歴史を持つ有名なワイナリーや、ワインリゾートとして名高いナパ・ヴァレーの「ロバート・モンダヴィ」(5位)、「オーパス・ワン」(20位)といった、世界に名だたるワイナリーが名前を連ねている。

その一方で、初めて選出された生産地域やワイナリーもある。新たに選ばれた国は、日本(30位)、ブルガリア(39位)、インド(46位)。日本の「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」が30位にランクインし、さらにベストアジアも獲得したことで大いに注目され、多様性を象徴することとしてCNNニュースの見出しにもなった。

また、老舗や有名なワイナリーだけでなく、最新の現代建築を誇るワイナリーや、ユネスコの世界遺産に登録されているワイナリー、ミシュランで星を獲得したレストランを併設するワイナリー、オーナーがワイナリーツアーを手掛けるような家族経営の小さなワイナリーというように、それぞれに魅力を持つワイナリーが選出されている。

日本で初めて選出された「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」

日本で最古の民間ワイン会社をルーツに持つ「シャトー・メルシャン」。勝沼、桔梗ヶ原、椀子の3つのワイナリーを所有する。今回、30位に選ばれ、ベストアジアも獲得した「シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー」は、2019年に設立された最も新しいワイナリーだ。長野県上田市の陣場台地に位置している。

高台に建てられたワイナリーのテラスからは、眼下に広がるぶどう畑と遠くに見える浅間山や蓼科山などの景観を楽しめる。さらに、屋外テラスでワインも味わえる。

畑では、シャルドネとメルローを主体に8種類ものぶどうが栽培されている。ワイナリーツアーには、美しい畑を歩きながら、ぶどうが栽培されている区画でその品種のワインを楽しめるという、ユニークな「ウォーキング&ランチツアー」がある。

このような「日本最古の民間ワイン会社をルーツに持つこと」「広大なぶどう畑を見下ろせる壮観なテラス」「8種類の多様な品種の栽培と、趣向を凝らしたツアーの開催」が、同ワイナリーの選出理由となっている。

受賞ワイナリーの紹介

ベスト大陸(Continent)賞

◆ベスト南アメリカ:ズッカルディ・ヴァレ・ド・ウコ(Zuccardi Valle de Uco/アルゼンチン)
ベスト南アメリカに加え、ワールド・ベスト・ヴィンヤードで2年連続1位を獲得している。選出理由は「素晴らしい高地ワイン」「併設レストランの素晴らしさ」。同ワイナリーの代表的なワインは、ウコヴァレーの高地石灰岩のテノワールを表現したマルベック品種のワイン。

◆ベストヨーロッパ:ドメーネ・ヴァッハウ(Domäne Wachau/オーストリア)
ワールド・ベスト・ヴィンヤードで3位を獲得。選出理由は、「ユネスコ世界遺産に登録された崖の急な傾斜につくられた段々畑」「バロック形式の建造物」。同ワイナリーの代表的なワインは、その土地特有のリースリングとオーストリア原産と言われるグリューナー・ヴェルトリーナーのワイン。

◆ベスト北アメリカ:ロバート・モンダヴィ・ワイナリー(Robert Mondavi Winery/アメリカ)
ワールド・ベスト・ヴィンヤードで5位を獲得。選出理由は、「歴史あるト・カロン・ヴィンヤード(To Kalon Vineyard)」「マーグリット・モンダヴィ(ロバート氏の妻)が長年にわたって毎年開催している、ワイナリー・サマーコンサート」。同ワイナリーのワインの特徴は、カベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランに重点を置いていること。また、フランスのエレガントさとカリフォルニアの濃厚さがうまく融合していること。

◆ベストオーストララシア:リッポン(Rippon/ニュージーランド)
ワールド・ベスト・ヴィンヤードで13位を獲得。選出理由は、「ワナカ湖畔からの息を飲むほどの絶景」「驚くほど滑らかなバイオダイナミックワイン」。同ワイナリーのワインの特徴は、ピノ・ノワール、リースリング、ゲヴュルツトラミネールなど、リッポン特有の素晴らしいぶどう品種を用いていること。

◆ベストアフリカ:ドゥレア・グラフ・エステート(Delaire Graff Estate/南アフリカ)
ワールド・ベスト・ヴィンヤードで14位を獲得。選出理由は、「壮大な山々に囲まれたバンフック・ヴァレーの素晴らしい景観」「インドシナ レストラン(Indochina restaurant)で提供されるアジア料理」。同ワイナリーの代表的なワインは、ボルドーブレンドとシャルドネ。

◆ベストアジア:シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー(Château Mercian Mariko Winery/日本)
ワールド・ベスト・ヴィンヤードで30位を獲得。同ワイナリーでは、標高650mに位置する畑で8種類のヨーロッパ品種を栽培している。「シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー」では、これらのぶどうと日本品種の甲州、マスカット・ベーリーAを組み合わせ、エレガントなワインを醸造している。

ベスト50選出ワイナリー

1位:Zuccardi Valle de Uco(ズッカルディ・ヴァレ・ド・ウコ)/アルゼンチン
2位:Bodega Garzón(ボデガ・ガルソン)/ウルグアイ
3位:Domäne Wachau(ドメーネ・ヴァッハウ)/オーストリア
4位:Montes(モンテス)/チリ
5位:Robert Mondavi Winery(ロバート・モンダヴィ・ワイナリー)/アメリカ
6位:Bodegas de los Herederos del Marqués de Riscal(ボデガス・デ・ロス・ヘレデロス・デル・マルケス・デ・リスカル)/スペイン
7位:Château Smith Haut Lafitte(シャトー・スミス・オー・ラフィット)/フランス
8位:Quinta do Crasto(キンタ・ド・クラスト)/ポルトガル
9位:Antinori nel Chianti Classico(アンティノリ・ネル・キャンティ・クラシコ)/イタリア
10位:VIK Winery(ヴィック・ワイナリー)/チリ
11位:Catena Zapata(カテナ・サパータ)/アルゼンチン
12位:Fürst von Metternich-Winneburg’sche Domäne Schloss Johannisberg(メッテルニッヒ・ヴィンネベルク侯爵家 シュロス・ヨハニスベルグ醸造所)/ドイツ
13位:Rippon(リッポン)/ニュージーランド
14位:Delaire Graff Estate(ドゥレア・グラフ・エステート)/南アフリカ
15位:Weingut Dr. Loosen(ドクター・ローゼン醸造所)/ドイツ
16位:Ridge Vineyards Monte Bello(リッジ・ヴィンヤーズ・モンテ・ベロ)/アメリカ
17位:Craggy Range(クラギー・レンジ)/ニュージーランド
18位:Gonzalez Byass – Bodegas Tio Pepe(ゴンザレス・ビアス-ボデガス・ティオペペ)/スペイン
19位:Château Pichon Baron(シャトー・ピション・バロン)/フランス
20位:Opus One Winery(オーパス・ワン・ワイナリー)/アメリカ
21位:Ceretto(チェレット)/イタリア
22位:Château Margaux(シャトー・マルゴー)/フランス
23位:Bodegas Salentein(ボデガス・サレンタイン)/アルゼンチン
24位:Penfolds Magill Estate(ペンフォールド・マギル・エステート)/オーストラリア
25位:Henschke(ヘンチキ)/オーストラリア
26位:Bodega Bouza(ボデガ・ボウザ)/ウルグアイ
27位:Clos Apalta(クロ・アパルタ)/チリ
28位:Champagne Taittinger(シャンパーニュ・テタンジェ)/フランス
29位:Champagne Billecart-Salmon(シャンパーニュ・ビルカール・サルモン)/フランス
30位:Château Mercian Mariko Winery(シャトー・メルシャン 椀子ワイナリー)/日本
31位:Château d’Yquem(シャトー・ディケム)/フランス
32位:Bodegas RE/チリ
33位:Château Mouton Rothschild(シャトー・ムートン・ロートシルト)/フランス
34位:d’Arenberg(ダーレンベルグ)/オーストラリア
35位:Viña Errázuriz(ヴィーニャ・エラスリス)/チリ
36位:GAJA(ガヤ)/イタリア
37位:Domaine Sigalas SA(ドメーヌ・シガラス)/ギリシャ
38位:Château Oumsiyat/レバノン
39位:Wine Cellar Villa Melnik(ヴィラ・メルニック)/ブルガリア
40位:Viña Casas del Bosque(ヴィーニャ・カサス・デル・ボスケ)/チリ
41位:Bodegas Vivanco(ボデガス・ヴィヴァンコ)/スペイン
42位:Familia Torres – Pacs del Penedès(ファミリア・トーレス)/スペイン
43位:Viu Manent(ヴューマネント)/チリ
44位:Maison Ruinart(メゾン・ルイナール)/フランス
45位:Domaine Marcel Deiss(ドメーヌ・マルセル・ダイス)/フランス
46位:KRSMA Estates(クリスマ・エステーツ)/インド
47位:Stag’s Leap Wine Cellars(スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ)/アメリカ
48位:Château Heritage(シャトー・ヘリテイジ)/レバノン
49位:Quinta do Noval(キンタ・ド・ノヴァル)/ポルトガル
50位:Trapiche(トラピチェ)/アルゼンチン

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