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コラム:米大手IT、ゲーム市場「勝ち組」の鍵はM&A | ロイター

[ロンドン 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] – 来年は米大手IT企業が、ビデオゲーム分野でM&Aの標的を探し回るだろう。アルファベット子会社グーグルとアマゾン・コムは、ストリーミング配信大手のネットフリックスがテレビ向けにやっているように、ゲームの世界でクラウドベースの定額料金制(サブスクリプション)サービスを駆使し、1750億ドル規模の市場に本格参入しつつある。だがネットフリックスがお手本を示している通り、成功の鍵を握るのはコンテンツを独占的に確保することだ。大手ITにとって、その意味では買収こそが次の「勝ち組」レベルに到達する最も手っ取り早い方法になる。

12月22日、来年は米大手IT企業が、ビデオゲーム分野でM&Aの標的を探し回るだろう。写真は2018年6月、ロサンゼルスで開かれたゲーム業界のコンベンションで撮影(2020年 ロイター/Mike Blake)

アマゾンの「Luna」、グーグルの「スタディア」といったゲームサービスは、両社の巨大なデータセンターがゲーム操作に伴う膨大な情報処理をこなしてくれる。つまり利用者はインターネットにつながりさえすれば、ハードウエアの性能が低くても、高度で複雑なデータ処理が必要なゲームを楽しめるため、ソニーの「プレイステーション」やマイクロソフトの「Xbox」といった高額の専用機を買う必要がなくなる。

一方ブロードバンドの通信速度の問題は依然として主な懸案だ。例えばスタディアを最高の解像度で利用するなら、その場合の推奨速度を当てはめてみると、英国なら全家庭の約25%が対象外となってしまう。それでも通信インフラ改善の取り組みや、超高速の第5世代(5G)移動通信システムの登場は追い風になるはずだ。

より大きな問題は、サブスクリプションサービス利用者が何のゲームコンテンツで遊ぶかにある。マイクロソフトはこのサービス拡充に資金を惜しまず、9月には人気ゲーム「Fallout(フォールアウト)」を手掛けるベセスダ・ソフトワークスの親会社を75億ドルで買収すると発表。ソニーも最近、「Marvel’s Spider-Man(スパイダーマン)」を開発したインソムニアック・ゲームズに2億ドル余りを投じている。両社がサブスクサービスのコンテンツを増やせば増やすほど、利用者をつなぎ留められる公算がそれだけ大きくなる。ピッチブックのデータによると、今年1-9月のゲーム業界関連M&Aの規模は111億ドルと、2019年全体を上回った。

グーグルとアマゾンはこうした案件でまだ大型買収に動いておらず、よそでも楽しめる第三者のゲームコンテンツでサービスを充実させる路線を選んでいる。両社が手元にある現金を合計すれば約1400億ドルに上るため、理論上はどんなゲーム会社でも買収の標的にできる。今月半ば時点の時価総額がそれぞれ400億ドルと220億ドルのエレクトロニック・アーツ(EA)やテイクツー・インタラクティブといった業界最大手クラスもその例外ではない。

ただ、多人数型などですっかり地位を確立しているEAのサッカーゲーム「FIFAシリーズ」などの利用をたった1つのプラットフォームに限定してしまうというのは、金銭的な意義に乏しい。より現実的な買収対象は、「ファイナルファンタジー」シリーズを送り出しているスクウェア・エニックスのように、1人用で魅力あるゲームを開発してきた実績がある企業だろう。ゲーム会社全体ではなく、どれか1つのゲームの開発拠点を取得するのも理にかなう。

大手ITによる大型買収は、規制当局から厳しい目を向けられる可能性が大きい。それでもネットフリックスのケースが参考になるとすれば、人を引きつけるコンテンツを取得することはゲーム市場に君臨する上で必要不可欠な対応だろう。

●背景となるニュース

*アマゾン・コムは9月24日にクラウドベースのゲーム配信サービス「Luna」を発表。先行アクセスは10月20日に開始した。

*グーグルのクラウドゲームサービス「スタディア」は昨年11月に開始。今年3月にはカリフォルニア州プラヤビスタに2つ目の開発拠点を開設した。

*ゲーム業界調査会社「ニューズー」によると、ビデオゲーム産業の今年の売上高は1750億ドルに達する見通し。新型コロナウイルスの感染防止対策として世界中でロックダウンが実施された影響で、前年比20%増加する見込みという。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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