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「鬼滅最終巻発売の熱狂と悪用の権利侵害」「グーグルが日本でも記事に対価支払へ」など、週刊ニュースまとめ&コラム #451(2020年11月29日~12月5日) | HON.jp News Blog

週刊ニュースまとめ&コラム
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 2020年11月29日~12月5日は「鬼滅最終巻発売の熱狂と悪用の権利侵害」「グーグルが日本でも記事に対価支払へ」などが話題に。広い意味での出版に関連する最新ニュースから編集長 鷹野が気になるものをピックアップし、独自の視点でコメントしてあります。

国内

雑誌社が運営するウェブメディアの最新指標が公開、3.2億PVの「文春オンライン」など7媒体が1億PV超え…ABC協会〈Media Innovation(2020年11月29日)〉

 日本ABC協会加盟の雑誌発行社会員のメディアで、自社PV(月間)が1億以上なのは「文春オンライン」「現代ビジネス」「東洋経済オンライン」「コミックウォーカー」「週刊女性PRIME」「HAPPY PLUS」「NEWSポストセブン」の7媒体。記事内ではこのうち、「コミックウォーカー」だけ触れていません。なぜ。

日本出版学会理事会による日本学術会議会員候補者任命拒否問題に関する声明〈日本出版学会(2020年11月30日)〉

 日本学術会議の任命問題が発覚したのは、菅内閣発足直後の10月初旬。2カ月経ってようやく、日本出版学会から声明が出ました。このままなにも言わないつもりかと思っていたので、他の学会より遅くなっても、出したこと自体は評価したい。ただ、学会員に対し意見聴取などはとくになく、理事会だけで決めた声明です。しかも理事28名中、賛成16名、反対1名。残りの11名は……?

JDLS 電子図書館サービス「LibrariE」 導入館300館に、コロナ禍で需要高まる〈文化通信デジタル(2020年12月1日)〉★

 2015年4月にリリースされ、4年後の2019年3月にようやく導入100館突破というゆっくりとした増加ペースだったのが、いきなり2020年6月に導入200館突破、そしてこの11月20日時点で300館突破と急増です。コロナ禍、恐るべし。11月末時点だと、公共図書館が117館(TRC-DLプラットフォームを含む)、大学図書館が96館、学校図書館(小中高)が85館、その他6館となっています(↓)。

日本の広告3団体、広告品質認証機構「JICDAQ」設立を発表 : 2021年春に設立を予定〈DIGIDAY[日本版](2020年12月1日)〉

 機構の具体的な活動内容は、「アドフラウドを含む無効配信の除外」や「広告掲載先品質に伴うブランドセーフティの確保」に関わる業務プロセス監査基準の制定とのこと。正直これは、お金の出し主の顔色しか伺っていない感があります。もちろんアドバタイザー(広告主)からすれば、悪徳メディアや低品質記事に広告が掲載されてしまうのはリスクであることは理解できますが。

 広告を掲載するメディア側からすると、不快な画像や景表法に引っかかるような文言の広告を、知らないうちに読者へ見せているというリスクがあります。運用型広告では、メディア側での事前チェックができません。つまり広告代理店とプラットフォームの審査の甘さが、読者からはメディアの責任として捉えられてしまうのです。広告3団体がそこに触れようとしないのは、おかしいと思うのですが。

「神奈川県町田市」は非実在…ATOK最新版は誤地名への対応を強化、チャットなど対話文の誤変換も低減〈INTERNET Watch(2020年12月1日)〉

 変換できない、というわけではなく、変換候補表示の際に《実在しない地名》と表示されるようになる、というアップデート。ちなみに私は、書くことを仕事にするようになってから、担当編集者にATOKの使用を強く勧められ「そうだよな商売道具なんだからちゃんとお金かけないとな」と思って「ATOK Passport」を契約し続けています。

 おかげでATOKが使えない環境だと、物書き効率が甚だしく落ちるように。Androidアプリが使えるはずのChromebookで、なぜかATOKが使えないのが非常にストレス。なんとかしてください。まあ、コロナ禍で外出が減ってChromebookを使う機会も激減しているから、いまはあまり困っていないのですけどね。

日販も小説版「鬼滅」1位 年間ベストセラー〈共同通信(2020年12月1日)〉

 日販の総合ランキング(全集・文庫・コミックを除く)では、1位2位が小説版「鬼滅の刃」。いっぽうトーハンの総合ランキング(全集・文庫を除く、コミックは未発表)では、1位が聖教新聞社「WORLD SEIKYO」、2位が幸福の科学出版「鋼鉄の法」、小説版「鬼滅の刃」は3点合わせて3位という扱い。うーむ、なんだろうこの違いは。

ビジネス書の売り上げ伸びる 新型コロナの影響背景か〈NHKニュース(2020年12月2日)〉★

 前述の日販年間ベストセラーから、NHKはビジネス書が伸びている点にフォーカスを当てています。日販のリリース(↓)では他ジャンルも一通り触れているのに、そこだけ拾うというのが興味深い。

 後段ではフライヤーの要約サービスによる「非接触型立ち読み」にも触れています。コロナ禍による影響が、出版市場にどう現れたか? という観点だからでしょうか。今年の世相を振り返る上で、避けては通れないですもんね。

朝日新聞社300人希望退職検討 2023年度までに、構造改革〈共同通信(2020年12月2日)〉

 リストラ、とは書かないのですね。なぜだろう。希望退職者に一時金として最大5000万円を支給というのもすごい。それだけ払っても、継続勤務より安く済むということですよね。それだけ高給、ということなんでしょうねぇ。

株式会社紀伊國屋書店、大学・公共図書館向け電子図書館サービスKinoDenに本文音声読み上げ機能を追加〈カレントアウェアネス・ポータル(2020年12月3日)〉

 障害者差別解消法や読書バリアフリー法を踏まえると、図書館向け電子図書館サービスに音声読み上げ機能は必須でしょう。KinoDenも遅まきながら、対応です。ただ、EPUBリフロー型かつ「出版社が許諾した」電子書籍約3000点のみが対象です。

 ポニキャン「YourEyes」の記事にも書きましたが(↓)、書協の出版権設定契約書ヒナ型には「自動音声読み上げ機能による音声化利用を含む」とあるので、それを以て「出版社が許諾」できるという建付けになっているのでしょう。これ、どうも釈然としないのは私だけ?

鬼滅キャラ生地の無許可販売疑い 山梨県警が女逮捕、「あつ森」も〈共同通信(2020年12月3日)〉★

鬼滅スマホケース販売、著作権法違反疑い 青森の男逮捕〈朝日新聞デジタル(2020年12月3日)〉

 これだけのブームになると悪用する人も出てくるということで、逮捕事例を2本ピックアップ。「ネットで販売」って、どこかのプラットフォームを使えば簡単に足がつく、という想像が付かないのでしょうかね?

「鬼滅」最終巻の発売で盛り上がる書店 “無限品出し”に追われる店員の姿も〈ITmedia ビジネスオンライン(2020年12月4日)〉

「鬼滅の刃」15キャラが3人ずつ本日の全国5紙朝刊に、吾峠呼世晴からのメッセージも(写真18枚 / コメントあり)〈コミックナタリー(2020年12月4日)〉

 最終巻の発売で、鬼滅フィーバーも最高潮。Facebookのニュースフィードでも、行列の写真や、完売入荷未定のポップ写真などをいくつも見ました。すごい。すごい以外の言葉が出てこない。1億冊感謝記念広告といえば、井上雄彦氏が「個人で」広告主となった「スラムダンク」の6紙全面広告を思い出します(↓)。今回はどうだったのかな?

2020年11月期 店頭売上前年比調査全体で前年比105.6% 初の7か月連続での前年超え〈日本出版販売株式会社(2020年12月4日)〉

 日販取引書店のPOS調査。鬼滅フィーバーで「コミック」は14カ月連続前年超え。そして「書籍」も4カ月連続前年超え。コミックだけが伸びているわけではないのです。来店機会が増え、他にも波及しているということなのでしょう。しかし「雑誌」は……。

フライヤー、書籍2200冊の要約を読み放題で提供する図書館サービス〈CNET Japan(2020年12月5日)〉

 図書館向けの要約読み放題サービスを提供開始。第1号は、広島県三原市立中央図書館への導入です。来館者が、館内Wi-Fiを通じて接続する形になっています。

【インタビュー】漫画家・赤松健に聞く 漫画文化の将来、メガヒット作品が生まれる環境を守るためには〈文化通信デジタル(2020年12月4日)〉★

 赤松健氏へのインタビュー。いろいろ興味深いのですが、なかでも「マンガ図書館Z」のアプリをやめたきっかけが、Appleに「ラブひな」10巻がリジェクトされたから、というのが面白い(いや、面白くない)。まあ、海外勢の審査基準がおかしいってのは、以前からおっしゃってましたよね。お疲れさまでした(いや、終わってない)。

文化審議会著作権分科会法制度小委員会「図書館関係の権利制限規定の見直し(デジタル・ネットワーク対応)に関する中間まとめ」に関する意見募集の実施について〈e-Govパブリック・コメント(2020年12月4日)〉

 法制度小委員会が終わって数時間後に、さっそく意見募集開始。早い。締め切りは12月21日です。今回も傍聴しましたが、法制度小委員会にはワーキングチームに参加していた方も多いので、とくに荒れたりすることもなく、スムーズな会議だった印象です。

グーグル、日本でも記事に対価 メディアと本格交渉へ〈共同通信(2020年12月5日)〉★

 10月から欧州などを中心に展開されていた「Google News Showcase」が、日本にも展開されるようになるとのこと。TechCrunchの記事(↓)では、日本向けの展開という記述はなく、欧州向けサービスの話となっていますが、報道機関が有料で提供している記事への「限定的なアクセス」を、無料で提供する代わりに費用を払う、という形になるようです。なるほど。

海外

中国の著作権法が改正:2021年6月1日から施行〈カレントアウェアネス・ポータル(2020年11月30日)〉

 法定賠償額上限の大幅引き上げや、懲罰的賠償制度などが導入されるそうです。上限は500万元=約8000万円に。ひええ。日本に懲罰的賠償制度はありませんので、日本より厳しくなる?

PRH Purchase of S&S Draws Objections〈Publishers Weekly(2020年11月30日)〉

Canadian-Owned Publishers Oppose PRH Buying S&S〈Publishers Weekly(2020年11月30日)〉

 ペンギン・ランダムハウスがサイモン&シュスターを買収することについて、全米作家協会、全米書籍業協会などが反対声明を出しているとのこと。また、カナダの出版社協会も政府に対し、独占禁止法に抵触しないか調査を求めているそうです。アマゾンに対抗するためとはいえ、さすがに大きすぎるか? 当局がどう判断するか、引き続き注視。

FBとグーグルに最大4件提訴か 米当局が準備、独禁法違反と米紙〈共同通信(2020年12月1日)〉

 グーグルは真っ先にターゲットにされましたが、フェイスブックもインスタグラムとワッツアップの買収が「競争を阻害」と判断されそうな雲行きのようです。同じく公聴会に呼び出されたアマゾン、アップルはいまのところお咎め無し?

台湾で中国コロナ対策賛美の絵本 浸透工作か、発禁要求の声上がる〈共同通信(2020年12月2日)〉★

 中国共産党の宣伝工作だからと、発禁要請の声が上がっているとのこと。台湾って、報道の自由度が比較的高い地域だというイメージだったのですが。まあ、政府が「規制する」と言ってるわけではなさそうなので、一部の過激な声なのかもしれませんが。

米国のデジタル広告、初の過半に 20年、巨大IT寡占〈共同通信(2020年12月2日)〉

 デジタル広告の占める割合が50%超に。ちなみに日本は、電通の「2019年 日本の広告費」によると、デジタル広告は約3割です(↓)。マスコミ四媒体も、プロモーションメディア広告(屋外広告・交通広告・折込・DMなど4マス以外)も、まだデジタル広告より大きいのです。

Libraries want access to Amazon ebooks〈Good e-Reader(2020年12月2日)〉

Amazon Publishing in Talks to Offer E-books to Public Libraries〈Publishers Weekly(2020年12月4日)〉

 米アマゾンが出版社になっている「Amazon Publishing」の電子書籍(KDPは対象外)が、公共図書館向けへ提供されるかもしれない、とのこと。交渉が進んでいるそうです。ニューヨーク公共図書館が提供している電子図書館サービス「SimplyE」向け、ということのようです。

ブロードキャスティング

 12月6日のゲストは作家・ゲームデザイナー・漫画原作者の架神恭介さんでした。上記のタイトル後ろに★が付いている6本+αについて掘り下げました。番組アーカイブはこちら。

 次回のゲストは、ゲーム作家の米光一成さんです。ZoomではYouTubeへのライブ配信終了後、オンライン交流会を開催します。詳細や申込みは、Peatixのイベントページから。

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CC BY-NC-SA 4.0
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※本稿はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際(CC BY-NC-SA 4.0)ライセンスのもとに提供されています。

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