ゲームニュース

昔の“紙の雑誌”には、作品や作家を生み出す勢いや熱があった!──のに、なぜ今のネットメディアにはそれがないのか?

 こういうことを書くと、「懐古」だの「オッサン」だの「老害」だの「〇〇を知らねーのか」だの、いろいろと言われてしまう気がするので先に謝っておくが、

 昔の“紙の雑誌”には、妙な“勢い”と“熱”があった!

 と思わずにはいられない。
 というのも、昔の雑誌では、その中のいち企画が後の大ヒット作へと発展したり、変な企画の担当者や参加者が、後の著名クリエイターへと成長していった例が少なくないからだ。

昔の“紙の雑誌”には、作品や作家を生み出す勢いや熱があった!──のに、なぜ今のネットメディアにはそれがないのか?_001
(画像はAmazon|風の谷のナウシカ [DVD] より)

 例えば、ジブリの代表的な名作として知られる『風の谷のナウシカ』は、元々は、宮崎駿氏と当時アニメージュの編集者だった鈴木敏夫氏が、映画の企画を通すために(原作がないものは映画化できないと言われ、だったら原作を作ってやる!といって)はじめたものだし、週刊少年ジャンプでゲームの紹介記事などを担当していた堀井雄二氏は、後に『ドラゴンクエスト』を生み出すに至るのは皆が知るところだろう。同じく雑誌のライターあがりで、『ジャンプ放送局』という読者投稿企画を担当していたさくまあきら氏も、『桃太郎電鉄』という国民的な大ヒットゲームを作り上げた。

昔の“紙の雑誌”には、作品や作家を生み出す勢いや熱があった!──のに、なぜ今のネットメディアにはそれがないのか?_002
『ロードス島戦記―灰色の魔女』
(画像はamazonより)

 ゲーム雑誌という文脈からは、コンプティークの誌面上のTRPGリプレイ企画が、後に小説やアニメへと発展していった『ロードス島戦記』などが有名だろうか。ロードス島戦記では、水野良といった作家を排出しただけではなく、イラストを手がけた出渕裕氏も、後にアニメ業界を代表するデザイナー/イラストレーターになっている。

 このように、昔は「雑誌から何かが起こる、生まれること」が少なくなかったように思う。

 もちろん、そのような背景には、当時は日本の経済的な発展と相まって、部数が多くて影響力があっただとか、金銭的/市場的な理由もあったのだろう。しかし一方では、

 本当にそれだけが理由なのだろうか?
 
 という思いも拭えずにいた。
 昔の雑誌には、何かこう、才能や作品を育む、ゆりかごのような性質があったように感じられるし、それを助長する若さやパワーがあったように思えてならなかったからだ。
 そしてその疑念は、ヒット作の当事者たちに直接話を聞くにつれて、確信に近いものへと変わっていった。

文/TAITAI