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【重要ニュースまとめ(8/14~8/20)】進むイーサリアム(ETH)のバーン、1週間に1億ドルが燃やされる。トラベルルール対応「Veriscope」始まる | 仮想通貨コラム | 仮想通貨(暗号資産)の比較・ランキングならHEDGE GUIDE

今回は、8/14~8/20の暗号資産・ブロックチェーン業界重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 異なるブロックチェーン間のネイティブトークンを統合へ
  2. イーサリアムのバーンが加速、マイナー収益も増加
  3. トラベルルール対応ソリューション「Veriscope」の導入開始
  4. まとめ、著者の考察

異なるブロックチェーン間のネイティブトークンを統合へ

イーサリアムのスケーラビリティソリューションPolygonが、同じくスケーラビリティ系プロジェクトでZK-Rollups基盤のHermez Networkを買収しました。注目すべきは、ネイティブトークン同士の統合が行われる点です。

分散型を志向するプロジェクトが他のプロジェクトを買収するというのも一見違和感のある話ですが、51%以上を占めるトークン保有者の意見が一致すれば、今回のようなディールが成立しても不思議ではありません。

今回の買収は、ローンチ直後のHermez Networkと、一定量のトークンを保有するPolygonの実質的な運営組織によって交わされました。買収側のPolygon運営組織は、保有するトークンのうち約12.5%をHermez Networkに対して支払うことになるといいます。

一方のHermez Networkは、全体の90%を運営組織およびそれに近いステークホルダーが握っていたため、大きな反発を生むことなくディールが成立しました。それぞれのトークン保有者のうち、マイノリティ側が今回の買収に対してどのような考えを示したかはわかりませんが、良くも悪くも分散型プロジェクトの仕組みがそのまま反映されたような買収劇だと言えるでしょう。

Polygonと​​Hermez Networkは、いずれも独自のチェーンを持っているためそれぞれにネイティブトークンが存在します(MATICとHEZ)。これまでにチェーン間の買収は複数あったものの、ネイティブトークンの統合は初めての事例です。今回の統合では、1HEZ = 3.5MATICのレートが採用され、HEZがMATICに交換されるのを待ってからHEZは消滅することになるといいます。

Hermez Networkの運営チームは、そのままPolygonの運営組織に吸収され、ZK-RollupsをPolygonのネットワークに適用させるための開発に従事することになっています。

PolygonがHermez Networkに目をつけた理由としては、ネットワークのセキュリティ性能を向上させることにあるようです。ZK-Rollupsは、ゼロ知識証明という秘匿化技術を使ったスケーリングテクノロジーであり、スケーラビリティを高めつつトランザクションの匿名性を保護することができます。

現在、イーサリアムのスケーラビリティ問題とその結果発生しているガス代の高騰から、他のブロックチェーンが台頭しています。その多くは高いスケーラビリティを強みとしているものの、一方でユーザーのプライバシーが後回しにされている感が否めません。

Polygonもその一つでしたが、スケーラビリティと同等にプライバシーも重要だと主張し、Hermez Networkとの統合により匿名性を高めていくとしています。

【関連記事】初のネイティブトークン統合が実現、Polygonがゼロ知識証明活用のHermez Networkを買収

イーサリアムのバーンが加速、マイナー収益も増加

ロンドンハードフォークで実装されたEIP-1559により、1週間でバーンされたETHの量が1億ドル相当を超えました。マイニングによって新規に発行されるうちの35%にあたるといいます。

EIP-1559が実装されたことで、トランザクションごとに設定されるガス代が、従来のアナログ方式からアルゴリズム方式へと変更されました。これまでは、ガス代を高く設定すれば優先してトランザクションが承認されていたため、どうしても自然とガス代が高くなる傾向にありましたが、アルゴリズムによって最適なガス代が自動的に設定されるようになるため、ガス代の高騰を抑制することができると考えられています。

また、ビットコインと違いイーサリアムには発行上限がないため、長期的に価格を上昇させていくためのデフレ要素がなかったものの、バーンの仕組みが導入されたことで断片的にはデフレ要素が備わったことになったと言えそうです。

従来はマイニング報酬として発行されていたETHですが、その一部がバーンされるようになったことで、マイナーの収益は下がると予想されていました。しかし、現時点ではマイナー収益は逆に増加しています。

これは、ETH価格の上昇が影響していますが、最も大きな要因として新しいガス代フォーマットに対応していないクライアントが多く存在していることがあげられます。例えばDeFiやNFTで多く使用されているウォレットなどが新フォーマットに対応しない限り、通常のユーザーはアナログ式の古いガス代フォーマットでトランザクションを実行することになります。

これは、ブロックチェーンの開発実態をわかりやすく反映した様子であると言えるでしょう。基盤となるイーサリアムブロックチェーンでアップデートがあった場合でも、ユーザーとの間に位置する各サービスがそれに対応しない限りは、アップデートがユーザーに届くことはありません。一般的なアプリやWebサービスの場合、運営者が強制的にアップデートをかけることができましたが、ブロックチェーンの場合はそうもいかないのです。

なお、バーンされたETHのうち、最も多くのトランザクションを発生させているのは、NFTマーケットプレイスのOpenSeaだといいます。次いでDEXのUniswapやステーブルコインUSDT、ブロックチェーンゲームAxie Infinityとなります。NFT系プロジェクトがDeFi系プロジェクトを上回っている状況は非常に興味深いです。

イーサリアムは約14秒に1つのブロックが形成される(トランザクションが承認される)ため、その度にETHがバーンされていく様子を確認できるのも、ブロックチェーンならではの現象ではないでしょうか。

【関連記事】イーサリアム(ETH)のバーン量が1週間で1億ドルを超える

トラベルルール対応ソリューション「Veriscope」の導入開始

世界の主要取引所がこぞって参画する、トラベルルールの対応ソリューション「Veriscope」の試験導入が始まりました。各取引所の顧客情報を必要最小限の公開にとどめた上で、取引所間のKYCを連携できるとしています。

トラベルルールは、各国の取引所に対して取引所をまたぐ送金についても顧客情報を管理しておく必要があることを定義したものです。日本では、2022年4月を目処に導入を目指すよう、FATFから正式に要請が出されています。

一方で、トラベルルールを含むFATF勧告の対応状況を調査したレポートでは、世界128ヶ国のうち現時点で遵守できていると評価されたのは58ヶ国にとどまりました。日本は一定の成果をあげているものの、監督や予防措置、AML/CFTの調査など特定の分野における取り組みを優先する必要があると言及されていました。

またEUでは、7月末にトラベルルールへの対応を強化するための法案が公開されており、いずれの国でもFATF勧告に従う姿勢が見られています。ただし、政府の意向があれど対応するのは民間業者であることから、両者の温度差には明確な違いがあるように感じます。

トラベルルールへの対応は金銭的にも時間的にも膨大なコストが必要となるため、特に中小の事業者には高いハードルがあると言えそうです。FATFも、中小の事業者が対応できるよう具体的な方法を明示したガイダンスを整備するなどしていますが、思うように対応は進んでいないと言えるでしょう。

そこで期待されているのが、今回試験導入が開始されたVeriscopeです。暗号資産のコンプライアンス領域に取り組むShyft Networkによって提供されているVeriscopeは、トラベルルールへの対応に特化しています。

BinanceやBitMEX、Deribit、Huobiなど既に30以上の取引所が導入を決めているといいます。顔ぶれを見るとアジア圏で広く普及が進んでいることがわかります。米国圏では、米国トラベルルールワーキンググループ(USTRWG)という団体が発足しており、こちらにBitGo、Coinbase、Gemini、Kraken、Fidelityなどが参画しています。

今後は、VeriscopeとUSTRWGによってトラベルルールの対応はリードされていくことになりそうです。

【関連記事】トラベルルール対応へ「Veriscope」がローンチ

まとめ、著者の考察

今週は、PolygonによるHermez Networkの買収とそれに伴うネイティブトークンの統合や、トラベルルールへの対応ソリューションVeriscopeが話題となりました。少しレベルの高いトピックではあるものの、どれも重要な動向であるため常に最新情報を収集していきたいところです。

トラベルルールについては、何年も話題に出ては対応が進んでいないという結果が報じられるにとどまり、なかなか出口の見えない状況が続いています。そこには、規制を整備する側と整備される側の実態の違いがあり、ルールを作ることの難しさが感じられます。

マーケットのファンダメンタルズとしては、イーサリアムのロンドンハードフォークに湧いたように、イーサリアムの動向に市場が影響を受けているようにも見えます。ビットコインと比べて材料が多く出てくることからも、イーサリアムへの理解は深めておいて損はないでしょう。

【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法

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田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。

田上智裕


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