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16型の薄型ゲーミングノート「ROG Zephyrus M16」。16:10パネルでゲームも仕事もイケる1台(Impress Watch) – Yahoo!ニュース

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 ノートPCでは15.6型の次は17.3型になるのが一般的で、16型は聞きなれないサイズだが、ASUSは「15型の筐体に16型のディスプレイを搭載した」としている。その正体は、実物を見れば一目瞭然だ。本機の売りとなるディスプレイをどう活かすべきかも考えつつ、実機レビューをお届けしよう。

■ 最新CPUとGPUを最薄部19.9mm、重量2kgの筐体に搭載

 今回お借りしたのは、「ROG Zephyrus M16」の中でもGeForce RTX 3070を搭載した最上位モデル「ROG Zephyrus M16(GU603HR)」。価格は26万9,800円だ。

 このほかに、RTX 3060などを搭載するモデルもあり、基本的に7月15日発売となっているが、RTX 3070搭載のこのモデルは秋発売予定となっているので注意したい。

 スペックは下記の通り。

 CPUは8コア16スレッドのCore i7-11800H、GPUはGeForce RTX 3070という最新世代の構成。メインメモリは16GBで増設不可だが、当面は困らないだろう。ストレージはM.2 NVMe接続の1TB SSDと大容量だ。

 最大の特徴である16型ディスプレイは、16:10のWQXGA(2,560×1,600ドット)となる。16:10は、WUXGA(1,920×1,200ドット)やWXGA(1,280×800ドット)などでも採用されたメジャーな比率で、最近では標準となっている16:9より使いやすいという声もよく聞く。またリフレッシュレートは165Hzで、高解像度かつ高リフレッシュレートということになる。

 最薄部19.9mmとスリムながら、端子類は充実している。Gigabit Ethernetは薄型筐体にありがちな引き出しやカバーなどがなく、そのままの形で装備されている。またThunderbolt 4とUSB Type-Cを各1ポート、Wi-Fi 6対応、指紋センサー搭載など、フルサイズノートにも負けないほど多機能だ。

 これで重量はほぼ2kgちょうど。持ち運べるゲーミングノートPCが欲しいものの、性能は妥協したくないという人は注目だ。

■ フルHD環境ではゲーミング性能も十分

 続いて実機でパフォーマンスをチェックする。ベンチマークテストに利用したのは、「PCMark 10 v2.1.2519」、「3DMark v2.19.7216」、「VRMark v1.3.2020」、「PHANTASY STAR ONLINE 2 NEW GENESIS Character Creator」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「Cinebench R23」、「CrystalDiskMark 8.0.2」。

 本機は専用ソフト「Armoury Crate」で動作モードを設定できる。標準では「パフォーマンス」の設定で、ほかに「Turbo」、「サイレント」の計3種類があり、ほかに手動設定も用意されている。

 今回のテストでは、「PCMark 10 v2.1.2519」に限り3つの動作モードで測定。その他は標準設定の「パフォーマンス」を使用した。

 まずは何よりCPUの性能が素晴らしい。シングルコアでデスクトップPC並のスコアを出していることに加え、MP Ratioも9.14と実コア数を大きく超えている。マルチコア時の性能がきちんと発揮できている証拠で、冷却面でも安心感がある。

 筆者が以前レビューした同社のノートPC「ROG Strix SCAR 17」に搭載されていたRyzen 9 5900HXと比べて、わずかに上回る結果となっている。ここしばらくはAMDに遅れを取ってきたIntel製CPUも、これなら真っ向勝負ができそうな性能だ。

 グラフィックス性能も順当な結果。「VRMark」で最も重い「Blue Room」で60fpsを超えており、VR用途にも満足のいく性能と言える。

 動作モードの違いについては、「Turbo」が順当に数%の性能向上。「サイレント」は特にグラフィックス周りの性能低下が激しく、基本的にゲームプレイ時には使わない方がよさそうだ。

 ゲーム系のテストでは、「PHANTASY STAR ONLINE 2 NEW GENESIS Character Creator」では本機のディスプレイ解像度となる2,560×1,600ドットでも実施したところ、「標準的な動作が見込める」との評価になった。本作のプレイ環境としてはかなり快適な部類だろう。

 バッテリ駆動の際は、標準動作モードが「サイレント」になっている。「パフォーマンス」に変更は可能だが、「Turbo」は選択できなくなる。またバッテリ駆動時にディスプレイのリフレッシュレートを低く抑えてバッテリ消費を減らす「パネルパワーセーバー」機能も標準でオンになっている。今回のバッテリテストでは、標準動作設定としてそのまま使用した。

 バッテリ持続時間は、オフィスユースで約7時間と十分な値。ゲーミングだと約1時間半となった。「サイレント」の設定で性能が落ちた状態でもこの程度なので、ゲームプレイの際にはACアダプタの使用は必須と言っていい。ちなみにフル充電までの時間は1.8時間とされており、筆者が実際に試した際にも、ほぼ空の状態から2時間程度でフル充電できていた。

 なお本機はUSB Type-CポートおよびThunderbolt 4ポートで、USB PDによる充電にも対応している(充電器は付属しない)。ASUSによれば、100W出力のUSB PD充電器のみ対応とのことだったが、筆者所有の27W出力のものを使ったところ、どちらのポートでも低速ながら充電するという反応があった。もっとも100Wでもゲーミングでの利用は給電不足と思われるので、補助的に使うものと思った方がいい。

 ストレージはSamsung製SSD「MZVL21T0HCLR-00B00」が使われていた。PCI Express 4.0対応のおかげで、シーケンシャルリードは7GB/s、シーケンシャルライトは5GB/sを超えるという圧倒的な性能になっている。ランダムアクセスも極めて速く、アクセス待ちのストレスは全くない。起動時間も、ベンチマークテストを一通り実施した後の状態で、電源ボタンを押してからの実測で約6秒と超高速だ。

 また今回は2つのゲームも実際にプレイし、フレームレートを計測した。計測にはNVIDIA FrameViewを使用。平均と下位99%のフレームレートをチェックする。

 まず「Fortnite」では、解像度をディスプレイと同じ2,560×1,600ドットとし、画質を最高に設定して、バトルロイヤルをプレイ。平均フレームレートは71.4fps、下位99%で48.7fpsとなった。リフレッシュレートが165Hzなので物足りない数字ではあるが、実際のプレイでは銃撃戦の際にも処理のもたつきを感じることはなく快適だ。解像度もフルHDを上回っているので、遠方の描写も繊細に見える。

 次は「Apex Legends」。解像度は2,560×1,600ドット、画質は可能な限り最高設定を選び、トレーニングモードを1周した。平均フレームレートは111.3fps、下位99%で78.4fpsとなった。こちらも平均で100fpsを超えているだけあって、高速移動時の描画もとても滑らか。銃撃の際のレスポンスもよく違和感は全くない。

 どちらも本機の最高解像度かつ最高画質設定で、十分快適なプレイができた。もしフレームレートを優先したいなら、画質を下げる余地は十分にあるので、好みの環境でプレイできる。

■ 15型の筐体に16型ディスプレイを搭載

 続いて実機の使用感を見ていく。筐体色はブラックで統一されているが、天面には無数の小さな穴が開けられた独特のデザインを採用している。穴の部分に光が当たると、ほのかに虹色に見える仕掛けがある。LEDを仕込んだような派手さはないが、なかなかに自己主張を感じるデザインだ。

 注目のディスプレイは、写真を見ていただければすぐに分かると思うが、画面下部の表示領域も広い。一般的にノートPCのディスプレイの下部は数cmの額縁部分があるものだが、本機はそこを約1cm程度まで削り、表示領域を広げている。これにより、「15型の筐体に16型のディスプレイを搭載」しているわけだ。画面占有率は94%になるという。

 そうなると開閉部分の強度なども心配になるが、実際に開け閉めしても違和感はなく、角を持っても安定して開けられる。ディスプレイ部分をねじるような動きにもたわみは少なく、薄型ノートとしてはむしろ強度が高い方だと感じる。ただ天板を押すと容易にへこむので、持ち運びの際の圧迫には注意した方がいいだろう。

 なお、ディスプレイ部分は180度以上の角度で開けられる。ディスプレイを開いて、先が机に当たってもまだ少し曲がるくらいで、そこまで開かなくてもと思わないでもない。角度が自由に調整でき

 ディスプレイの見え方は自然で落ち着いた感じ。しかしよくよく見てみると、RGB各色がそれぞれはっきり出ていて、コントラストも高い。低反射処理がしっかりしているので派手さがないだけで、元々の発色は相当良い。視野角も高く、あらゆる角度から眺めても色相の変化がない。解像度も高い分、近くで見ても違和感がなく、じっくり見るほど良さが分かってくる。

 また165Hzの高リフレッシュレートに加え、応答速度が3msと高速なおかげで、Webブラウザのスクロールなども滑らかでくっきりと見える。ゲームだけでなく普段使いにも十分なメリットが感じられる。

 キーボードはアイソレーションタイプ。日本語キーボードで、テンキーがないこともあり、キーのサイズは全体的に余裕がある。キー配置もオーソドックスで、方向キーが縦に潰れている以外は違和感がない。

 キーは強めのクリック感があり、キーストロークもノートPCとしては深め(公称値で1.7mm)。Nキーロールオーバーにも対応している。キーボードバックライトも搭載し、付属ツール「AURA Creator」で光り方を細かくカスタマイズできる。

 右上の電源ボタンは、表面が指紋センサーになっている。指紋センサーの位置を示すマークは付いておらず、最初はどこにセンサーがあるのか分からず筐体のあちこちを触りまくった(笑)。Windows Hello対応で、起動後に電源ボタンに指を置くだけで素早くサインインできる。

 端子類は主に筐体の左側に用意されている。右側にあるのはmicroSDXCスロットとUSBが1ポートだけ。マウスを使用する際には筐体右側が空いている方が使い勝手がいい(マウスも左側のポートに挿して背面から右側に持ってくる)ので、ゲーマーの使用環境をよく考慮した設計になっている。

 スピーカーはキーボードの左右にツイーターが2基、そのやや手前に上下に貼り合わせた形のウーファーが2基ずつで、計6基のスピーカーを搭載している。2.4chスピーカーというと変な感じだが、ノートPCが苦手な低音を頑張って出そうという構成なのだろう。

 実際に音を聞いてみると、まず高音の伸びやかさと、ステレオで音が広がる感覚がとても素晴らしい。オーケストラのバイオリンの音が美しく響き、ほかの楽器の音も定位感を持ってメリハリよく聞こえてくる。人の声もほかの音に埋もれることなく、明確に聞こえる。

 期待の低音は、さすがに重低音が響くような音がするわけではないものの、低いドラムの音もちゃんと聞こえる。ほかの音ともうまく馴染んでいて、コンパクトな外付けスピーカーとなら競えるくらいの音だ。

 低音が期待外れというわけではなく、高音の出方が良すぎて低音の良さがかすんでしまうという印象だ。ゲームの音を出すには十分で、ノートPCのスピーカーとしては破格の高品質だ。

 またマイクの機能もユニーク。3Dアレイマイクと呼ぶ2基のマイクを搭載しており、マイクの指向性を前方のみ、前と左右、全方位の3パターンにカスタムできる。さらにAIノイズキャンセリング機能も搭載し、リモート会議などでも外部のノイズを抑制し、快適な音声入力を実現する。なおマイクの指向性のカスタマイズと、AIノイズキャンセリング機能は、排他利用となっていた。

 排熱処理は、底面吸気、側面と背面から排気。アイドル時にもかすかにファンは回っているが、音は耳を近付けると辛うじて分かる程度でほぼ無音。高負荷時には低めの回転音と、ホワイトノイズのような風切り音が聞こえる。耳触りな高音はほぼなく、音量も控え目な部類だ。スピーカーの良さもあり、ゲームプレイ時の音をさほど邪魔されないように感じる。

 唯一気になるのは背面の排気で、ディスプレイの下の方まで表示領域がある分、排熱が直接液晶部分に当たっている。触ると熱いほどの温度になるので、長期的に問題がないか少々心配だ。

 高負荷時のキーボードへの熱伝導は、中央付近ははっきり温かく、左右に離れるほど冷えていく。それでもW/A/S/Dキー付近は少し温かさを感じ、リストレスト部も熱が伝わっている。薄型筐体にしてはがんばっている方だと思うが、神経質な人は気になるかもしれない。

 ACアダプタの出力は240W。本体の厚みよりもやや厚く、大出力なだけあってサイズも大きい。ただ本機はゲーム以外の用途で持ち運ぶ時にUSB PD充電器を使うという逃げ道もあり、用途に応じた使い分けができれば快適度が増しそうだ。

■ ゲーム以外の用途にも適した万能ゲーミングノート

 昨今のPCゲームはコンソールゲーム機とのマルチプラットフォーム展開が前提のものも多いため、大抵16:9の画面比率を前提に作られている。そのためゲームプレイにおいて、16:10というやや縦長の表示領域が常に活かせるとは限らない。上下に80ドットずつの黒帯が入るものや、あるいはそうした方が遊びやすいゲームもあるだろう。

 その場合、画面比率16:9の15.6型と同等のプレイ感ということになる。確かに若干の無駄はあるが、何かが劣るというわけでもない。重要なのは、それ以外の場面だ。16:9表示が求められるゲームや動画視聴以外では、表示領域が広い分だけ素直に使いやすい。例えばWebブラウジングなどでは、縦に長い方が見やすいのは間違いない。それに筐体サイズは15.6型と同等で、ただディスプレイが下方向に広がっただけなので、何か損したものがあるわけではない。

 そう思うと、本機は純粋なゲーマーよりも、ビジネスや学習などほかの用途でも使いたい人に向いていると言える。3Dアレイマイクのように、ゲームよりビジネス用途で活躍する機能もある。「仕事も遊びも、出張等の持ち出し利用も、これ1台で全部やりたい」という人の気持ちを、高いスペックのみならず快適な使用感で満たしてくれるはずだ。

PC Watch,石田 賀津男

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