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4万円切りで実用的なスペック、サポート安心の「TENKU SlimBook 14」(Impress Watch) – Yahoo!ニュース

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■ そこそこのスペックで、国内サポートが安心

 近年は、5万円を切る超格安PCのカテゴリには多数のメーカーが参入していて、雑貨大手のドン・キホーテですら多くのモデルを投入しているので、すっかり珍しくはなくなった。

 しかし、価格を抑えたゆえにスペックが控えめなのも多い。たとえばメモリが4GBだと、複数アプリの併用が厳しかったり、CPUも古い世代のBay TrailやApollo Lakeだったりだと、動作に一呼吸を置く必要がある。ストレージが64GBだと、ちょっとアプリを入れただけですぐに満杯となり、度重なるWindows Updateで容量のほとんどが圧迫されてしまうので、ユーザーが使える容量は実質ほとんどない。

 中国メーカー製のものなら、同価格帯でもそこそこ高スペックなのがあるが、いかんせんキーボードが英語配列のままであり、サポートが基本的に製品の不良交換のみで、やり取りはメールだけだったりする。

 低価格ノートPCを買うにはそれなりの理由があるとは思うし、上級者ならいろいろ工夫できるので低価格PCを使う楽しさや選ぶ醍醐味はあるとは思うが、はじめてPCに触れる初心者が飛びついたり、PCをこれから学ぶ子供や、古くなった親のPCのリプレースとしては不適切だとは思う。

 天空という会社はNECや富士通のような大企業ではないので、改めて紹介しておく。同社はサイズ10型以下の超小型ノートPCや、異色とも言えるゲームパッドつきポータブルWindowsマシン「GPD WIN」シリーズを製造している深センGPDの代理店として名を馳せている日本の会社だ。

 一度GPD WINシリーズを自身で分解したことのあるユーザーならわかると思うが、同シリーズは小型PCなのにゲームパッドを搭載しているゆえ、内部構造はひじょうに複雑で、一般的なノートPCとは比べ物にならないぐらい分解も組み立ても時間がかかる。それゆえ修理もかなり高いスキルを要するのだが、その修理業務を日本国内で行なうぐらい、ちょっぴりすごい会社だったりする。

 GPDの販売/サポート代理がメインの業務……なのだが、自社ブランドのPCやアクセサリも展開している。今回のTENKU SlimBook 14も自社ブランド製品の一環というわけだ。製造こそは中国で行なわれているのだが、サポートは日本国内で行なっているため、中国ブランドのノートPCと比べると安心感はある。

■ 質感は価格なりだがスタイリッシュ

 それでは本機をじっくり見ていこう。パッケージは質素ながらコンパクトにまとまっている。付属品はACアダプタ、簡易マニュアルと保証カード、天空のVIPカード、それからWPS Office Standard Editionのシリアルのみだ。なお、WPS Officeは8月31日まで最新版の「WPS Office 2」へ無償でアップグレード可能だった。

 本体の素材は明らかにされていないが、樹脂かプラスチック製だ。もともと16.5mmと薄型なのだが、4辺がなだらかに削ぎ落とされていてさらに薄く見せている。液晶も狭額縁で、キーボード面もシャープなエッジが効いているなど、素材そのものに高級感はないが、デザインや雰囲気はかなり頑張っていて、結構スタイリッシュに見える。

 素材ゆえ、角を持つと若干たわんでしまうのだが、全体の剛性に不安を感じるほどではない。一方、キーボードを強くタイピングしても筐体がたわんでしまうようなことがなく、こちらはかなりしっかりとした作りだ。

 筐体には通気孔が一切なく、完全なファンレスを実現しているのも特徴。ともなると気になるのはCPU温度だが、一般的な負荷ではCPU温度が62℃を超えるようなことはなかった(室温20℃環境)。底面もほんのり温かくなる程度で、テキストを打つ程度の負荷ならまったく気になることはない。低電力SoCとあいまって、底面積に余裕があるためだろう。

 本体の重量は公称で1.3kg、実測で1,246gであった。ノートPCの軽量化が進んでいる昨今、軽いとは言えないが、14型としては比較的軽い部類ではある。屋内モバイルが中心ならもちろんのこと、外出先に持って行って使う程度でも十分許容範囲内だ。

■ キーボードは若干クセがあるが、タッチパッドや液晶は秀逸

 本機で気になる点があるとすればキーボードだろうか。キータッチ自体はよく、素早く反応してタイプ漏れは少ないのだが、各キーの間隔があると感じられる。これは、キーピッチが一般的なフルピッチと呼ばれる19.5mmよりもさらに広い20.5mmになっているためだ。その分タイプミスが防げると言われればそれまでだが、通常のキーボードでタッチタイピングに慣れたユーザーからすると、やや指を広げなければならず、小指で操作するキーがやや遠く感じられる(一番遠くで5mmずれる)。

 もっとも、本機はEnterキーの横にも4つキーがあり、この押し間違いを防げるという意味で20.5mmのキーピッチは相当“効く”。試用中にEnterキーを押そうとして横のキーを誤爆してしまうようなことは一切なかった。

 ちなみに、他社のEnterキーの横にも1列あるようなキーボードでは、PageUp/Down、Home/Endになっているのが多いが、本製品は四則演算記号となっている。このため押し間違いてもダメージが少ない。また、初心者にとってテンキーなしキーボードで四則演算記号を探すのは一苦労だろうから、「こういう手もあるか」と、逆に感心してしまった。

 配列自体は英語配列キーボードを日本語に直したようなものなので、鍵括弧の位置など若干不自然のところが残ってしまっている。右Alt/Shift/Ctrlがなく、無変換はFn+Altになっているといった変則的なところはある。また、F11/12はFn+F1/F2だったりする。さらに言えば、音量や輝度アップ/ダウンは、一般的な配置とは逆だ。とはいえ、利用頻度は低いので実用上気になることはほとんどなかった。

 キーボード配列が変則的なのは、コストダウンをする上で致し方ないところ(本機の場合、型から作ることになってしまう)。本機はファームウェアで対応できる範囲の対応となっているが、その割にはよく考えられた配列だ。唯一、20.5mmのキーピッチは惜しいが、慣れである程度カバーはできる。

 タッチパッドは132×59mmとかなり大型。クリックボタン一体型となっており、右下クリックで右クリックとなる。2本指でのスクロールや、3本指でのタスク切り換え/全ウィンドウ最小化といったジェスチャ操作にも対応し、エントリーモデルながら操作は快適そのものだ。ちなみにポーリングレートは最大135Hzを示していた。

 タッチパッド左上には指紋センサーを搭載しており、Windows Helloによるログインをサポートするのもいい。低価格モデルで指紋センサーを備えているのはめずらしい装備で、利便性向上に一役買っている。

■ 液晶やスピーカー、インターフェイスなど

 液晶はIPSタイプを採用しているため視野角は広く、色味も正しい。低価格モデルでは妙に青っぽかったり、TNタイプの液晶が採用されていたりするが、この点TENKU SlimBook 14は高く評価できる。

 内蔵のスピーカーは底面から出て机などの接地面を反射して聞こえてくるタイプ。置く素材によって若干音色が変化するが、いわゆるかまぼこレンジで音楽鑑賞には向かない。とはいえ、動画のナレーションを聞いたり、Web会議する分にはまったく問題ないレベル。また、30万画素ながらカメラとマイクも内蔵しており、画質や音質を求めないならばWeb会議も一応可能ではある。

 インターフェイスは左側面にDC入力、USB 3.0、Mini HDMI出力、右側面に3.5mmミニジャック、USB 3.0、microSDカードリーダ。USB 3.0ポートは筐体の削ぎ落としにあわせるかたちでバネ式つき端子カバーで狭くなっていて、使うさいはデバイスのコネクタでカバーを広げる。コネクタの先端を当てるだけで広がるので、使い勝手に影響はない。むしろ、コネクタの向きを覚えられるので良い。

 残念ながらUSB Type-Cは備えておらず、USB PD充電できないが、このあたりも価格からして難しいだろう。ちなみにUSB端子はDCや3.5mmステレオミニジャックに近いので、大型のUSBデバイスを接続するさいは延長ケーブルを使うか、取捨選択をせまられることになる。

 このほか、最大433Mbpsで通信可能なIEEE 802.11ac対応無線LANとBluetooth 5対応モジュール「Intel Wireless-AC 9461」を搭載している。試しに自宅の環境(Nuro光、TP-Link AX11000)環境で計測してみたが、ルーターの近くでは320Mbps前後の速度をマークした。

 付属のACアダプタは12V/2A出力で、コンパクトなタイプ。プラグ部は折り曲げられないが、持ち運びには苦にならないサイズと重量ではある。

■ 実用十分な性能で普段使いではストレスフリー

 最後にベンチマークを行なってみた。比較用にCHUWIで同じSoCを採用した「GemiBook」を用意してある。GemiBookはTENKU SlimBook 14よりメモリが4GBほど多く、液晶解像度も上である。ベンチマークは「PCMark 10」、「3DMark」、「Cinebench R23.200」、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒の反逆者 ベンチマーク」、「ドラゴンクエストX ベンチマーク」、「CrystalDiskMark v8.0.1」である。

 結果を見ればわかるとおり、ほとんどの項目でTENKU SlimBook 14が上回った。テストではドライバやOSのバージョンが同じになるよう配慮しているのだが、3D系ベンチではGemiBookが遅れを取った。可能性としては2,160×1,440ドット表示対応の高解像度液晶が仇となっているのかもしれない。ただ、試用したTENKU SlimBook 14に搭載されていたSSDが優秀ということもあり、それ以外のほとんどの項目でもGemiBookより高速だった。

 PCMark 10の結果は1,600台とエントリークラスの域を出ないのだが、Celeron J4115がほとんどのシーンで2.4GHzまでブーストするため、モッサリしているという印象はまったくない。もちろん、CoreやRyzenマシンに比べればレスポンスはやや劣るが、Webブラウジングや文書作成などの軽作業ならストレスフリーだ。かくいうこの記事もTENKU SlimBook 14上で書いて、撮影した写真を編集しているが、ハイエンドノート環境(Razer Blade Stealth(2020 Early))とは遜色ない。

 バッテリ駆動時間について、室内での利用に十分な輝度50%の状態でPCMark 10のModern Officeを走らせたところ、残量21%まで5時間43分駆動した。実際にバッテリで試用していてもバッテリの減りが気になるようなことはなく、6時間駆動は可能だろう。出先でちょっと作業したり、移動中に作業したりする程度なら十分だ。

■ トータルバランスに優れたエントリーモデル

 先述のとおり、5万円未満の格安ノートの選択肢は現在増えている。冒頭で述べた中国メーカー製品のほかにも、じつは大手からもいくつかのモデルが出ている。しかしそれらは液晶解像度が低かったり、パネルがTNだったり、メモリが4GBだったり、ストレージが少なかったりHDDだったり……と、スペック上でのコストダウン要素が多く、パワーユーザーがそれを理解し、余っているパーツを組み込んで快適に使うものだったりする。その一方で、単なる中国メーカーのノートPCだとスペックはそこそこ充実しているが、いざトラブルが起きたとき、サポートが心許ない。

 というわけでSlimBook 14は、大手メーカーと中国メーカーのいいどこ取りをした、死角が少ないバランスの取れたモデルだとは思う。WPS Officeも付属しているので、これからPCでなにかはじめようという初心者に適しているほか、パワーユーザーのサブ機としても頼りがいがある。幅広い層におすすめしたい。

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